2010年4月6日(火)「しんぶん赤旗」
労働者の生活と権利を守るルールをつくろう
志位委員長が三つのよびかけ
参院選勝利へ労働者演説会
日本共産党の志位和夫委員長は5日夜、参議院選挙勝利をめざして都内で開かれた労働者演説会で、大企業が空前の利益をあげ、労働者、国民がますます貧しくなる日本の異常な実態を解明し、この異常を正し、「ルールある経済社会」を築く重要性を訴えました。このなかで、とくに労働者の生活と権利を守るルールをつくることがその根本だとして、「働く貧困層」をなくすための「三つのよびかけ」をおこないました。
非正規から正社員へ
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第一は、非正規社員から正社員への雇用転換をはかり、「雇用は正社員が当たり前の社会」をつくることです。このなかで労働者派遣法の改正が政治の焦点になっていることにふれ、政府が国会に提出した法案は、製造業派遣では「常用型雇用」、登録型派遣では「専門26業務」を、それぞれ「禁止の例外」とするなど「大きな穴」があいた「名ばかり改正」法案だと批判。「労働者派遣法の抜本改正で『雇用は正社員が当たり前』の社会をつくる第一歩を踏み出そう」とよびかけました。
賃金の大幅底上げを
第二は、正規も非正規も、民間も公務員も、すべての労働者が連帯して、賃金の大幅な底上げをはかることです。賃上げは労資のたたかいで決まるものですが、志位氏は、政治の責任で取り組めることがあるとのべて、次の二つを指摘しました。
一つは、最低賃金を全国一律の制度とし、時給千円を目標に大幅に引き上げることです。日本の最低賃金は「先進国」で最低だと語り、財界シンクタンクも「最低賃金引き上げは最大の成長戦略だ」と提言していることを紹介。「中小企業への支援策と一体に、抜本引き上げをかちとろう」と訴えました。
もう一つは、国と自治体に賃金底上げの公的責任をはたさせることです。志位氏は、自治体職員に占める非正規職員の比率が年々増加し、「官製ワーキングプア」が問題になっているとして、「自治体が賃金悪化の推進役になることは許せない」と語りました。また、建設や民営化された保育所、民間に委託された清掃など自治体が発注・委託する契約で、人間らしく生活できる賃金を確保する公契約条例、公契約法をつくるために力をつくそうと訴えました。
公正な取引のルールを
第三は、大企業と中小企業との公正な取引のルールをつくり、中小企業の経営と労働者の雇用を守ることです。志位氏は、7割が働く中小企業と大企業とのあいだに賃金格差が広がった原因の一つに、下請け単価の際限のない切り下げがあると指摘。下請法の厳格な実施など、政府の責任で大企業、親企業の無法を一掃し、公正な取引ルールの確立が必要だと強調しました。
身勝手な「国際競争力」論
そのうえで志位氏は、財界・大企業がとなえる「国際競争力」論に言及し、(1)「国際競争力」至上主義こそが日本経済の成長力を奪ったこと、(2)「企業が海外に逃げる」というが、「国際競争力」至上主義こそが産業空洞化の元凶ともなっていることを、事実をしめして解き明かし、「『国際競争力』の名で暮らしを壊す横暴を押し付ける財界の身勝手な論理を断固として拒否しよう」と呼びかけました。
志位氏は、暮らしを守る「ルールある経済社会」をつくり、大企業の過剰な内部留保と利益を雇用と中小企業、社会に還元し、家計と内需を活発にしてこそ、日本経済を健全な成長の軌道にのせることができると語り、「日本共産党の“成長戦略”こそが、暮らしと経済を救う道だ」と強調しました。