2010年4月7日(水)「しんぶん赤旗」
公訴時効廃止 慎重に
仁比議員“被害感情は多様”
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日本共産党の仁比そうへい議員は6日、参院法務委員会で、刑法・刑事訴訟法改定案に盛り込まれている公訴時効の廃止など重要な論点を慎重に審議する必要があると強調しました。改定案は「人を死亡させた罪のうち死刑にあたるもの」については現在25年になっている公訴時効を廃止するとしています。
仁比氏は、公訴時効の延期・廃止が被害者家族にとって「悲しく苦しい期間の延長になる」と、反対を表明している被害者団体もあることを指摘。「遺族の悲しみは多様で、公訴時効廃止と結びつけ一律に対応するべきではない」と主張しました。
千葉景子法務相が「人の命を奪った場合、逃げ得はだめだ」と答弁したのに対し、仁比氏は、逃げ得を許さないということで罪のない人が苦しめられてきたと反論。時効の6時間前に容疑者を起訴、1日12時間の取り調べや罪を認める上申書を強要したものの、無罪になった佐賀の北方事件の例を示し政府の認識をただしました。
中井洽国家公安委員長は、「警察全体でそういう取り調べがある。十分人権に配慮するように今後もチェックする」と答弁。千葉法相は、「(公訴時効廃止は)捜査の幅が広がるが、えん罪の可能性も高まる」と危険性を認めました。