2010年4月10日(土)「しんぶん赤旗」
群馬上空
米軍の空域使用中止を
井上議員 低空飛行騒音で追及
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日本共産党の井上哲士議員は8日の参院外交防衛委員会で、群馬県上空の米軍機低空飛行訓練問題をとりあげ、政府として米国に中止を求めるべきだと迫りました。
米空母ジョージ・ワシントンの横須賀基地配備(2008年)にともない、前橋市、高崎市、渋川市上空では艦載機による昼夜を問わない訓練が続き、「低空飛行訓練の苦情の約8割が群馬県に集中している」(井上氏)という事態が生まれています。
井上氏は、1971年に岩手県雫石(しずくいし)町で起きた自衛隊機と全日空機の衝突事故以来、自衛隊機の訓練空域がほとんど洋上に移されたにもかかわらず、内陸の米軍横田基地空域のなかに、自衛隊の高高度訓練空域(エリアH)と低高度訓練空域(エリア3)が設けられた事実を示し、「自衛隊機の飛行訓練はどれだけか」と質問。長島昭久防衛政務官は「自衛隊機の訓練は行われていない」と答弁しました。
井上氏は、「事故の教訓を踏まえ洋上に移された自衛隊訓練空域がわざわざ陸上に設定され、自衛隊戦闘機は訓練をしないで米軍が訓練空域に使用し騒音をまき散らしている。見直して中止をすべきだ」と迫りました。
長島政務官は、「重要な指摘であり、詳細を調べ後日答えたい」と答えました。
井上氏が、「米軍訓練の実施状況は掌握しているのか」とただすと、長島政務官は「把握する立場にない」と答弁。井上氏は、「同訓練地域の使用統制機関は自衛隊だ。明らかに矛盾する」と強調しました。