2010年4月10日(土)「しんぶん赤旗」

国保料滞納→受診控え→重症化し死亡

福岡民医連、10例発表


 福岡県民主医療機関連合会(熊谷芳夫会長)は9日、2009年に無保険などで死亡に至った例など10例を発表しました。雇用破壊や貧困の広がりで必要な医療を受けられない人々が増加している実態が明らかになっています。

 調査対象は(1)国保料(税)滞納で無保険か短期証・資格証交付で病状が悪化し死亡した例(2)保険証があっても、経済的理由で受診が遅れ死亡した例(3)放置していれば死に至っていたと考えられる例です。

 北九州市の43歳の男性は、寝たきりの父を介護、兄も入院し、生計は両親の年金と姉の収入のみ。男性は国保料滞納で無保険でした。1年前から胸部の痛みを訴えましたが、経済的な理由で受診せず、その後、風呂場で倒れ4カ月後に亡くなりました。

 福岡市の男性(59)は、経営していた会社の倒産後、タクシー運転手をしていましたが、体調不良で退職。診察は受けたものの経済的理由で検査を受けず、1カ月後に進行性の胃がんが見つかり5カ月後に亡くなりました。

 記者会見で、県民医連の谷口路代事務局長代理は「無料低額診療の拡大、短期証・資格証の発行中止、窓口負担の減免の適用が求められます」と訴えました。





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