2010年4月14日(水)「しんぶん赤旗」
生保業界が政界工作
07年当時 不払い問題沈静化狙う
大門議員告発
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日本共産党の大門みきし議員は13日の参院財政金融委員会で、生命保険の保険金不払いが社会問題になった当時、生命保険協会(生保協会)を中心におこなわれた国会議員工作疑惑を追及しました。
大門氏は、2007年5月18日に衆院財務金融委員会で生保不払い問題に関する参考人質疑が行われた際、質疑時間の短縮と追及をゆるめることを目的に、生保各社が分担して自民党の金融関係の有力者や委員会の理事メンバーに要請をおこなったことを内部資料から暴露しました。
働きかけたのは尾身幸次氏(財務相、担当=第一生命)、石原伸晃氏(自民党幹事長代理、党金融調査会顧問、担当=生保協会)、金子一義氏(党金融調査会長、担当=住友生命)、山本明彦氏(財務金融委員会与党筆頭理事、担当=生保協会)ら(肩書は当時)。
実際、参考人質疑当日は午前中に視察が入り、質疑はわずか1時間。しかも当日、質問に立った山本氏は「意図的な不払いと、請求もれはちがう」「業界、第一生命の取り組みはよくがんばっている」などと業界擁護の発言をしていました。
大門氏は、第一生命と外資系1社にひどい不払い実態があったにもかかわらず、山本氏が金融副大臣となった08年に同庁がだした業務改善命令は大手生保「横並び」で、第一生命は目立たずにすんだ疑惑を指摘。「政界工作によって、保険金不払いがあいまいにされた結果、スムーズに第一生命が株式上場したとすれば大問題だ」「当時、第一生命で不払い隠しの陣頭指揮に当たった渡辺光一郎氏が現在社長に就任している」と告発、同氏の参考人招致を求めました。
亀井静香金融相は「金融庁の立場からおこなえる調査はしたい」と答弁しました。
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