2010年4月14日(水)「しんぶん赤旗」
子ども手当
共産党はこう考えます
子育て支援
総合的な対策が大事
子ども手当を2010年度について、中学生まで1人当たり月額1万3千円支給する法律が成立し、6月から支給が始まります。子ども手当について質問も寄せられていますので、日本共産党の考え方を紹介します。
現金給付の拡充も
日本共産党は、子育て支援は、現金を配るだけでなく、▽正規雇用を増やす▽保育所をつくる▽医療や教育費の負担を減らす―など総合的な対策が大事だと主張してきました。その一環として現金給付の拡充も必要と考えています。
子育て世帯の多くは所得が低く、経済的困難が深刻です。政府の調査でも経済的支援を求める声が7割に達し、子どもの7人に1人が貧困状態です。自公政権のもとでの雇用破壊で、両親とも派遣労働者という例もめずらしくありません。
これまで、家族向けの現金給付では、日本はヨーロッパと比べ低水準(表)でした。そうしたことも考慮し、日本共産党は、児童手当を1万円に引き上げ、将来は18歳未満まで拡大することを公約してきました。
今回の法律は、民主党が掲げる月2万6千円を制度として固めるものではなく、当面、半額の1万3千円を支給するものです。来年から、子ども手当の対象となる16歳未満の年少扶養控除が廃止されますが、手当受給世帯以外への負担増がないことから、その限りで日本共産党は賛成しました。
「月額2万6千円」で総額5兆円を超える民主党の公約には、「保育所づくりが先では」「財源があるのか」との声が上がっています。鳩山首相自身、財源確保の困難をいっているのですから、疑問は当然です。しかも民主党は、国の責任で保育所をつくるどころか、子どもの“詰め込み”と民間任せで待機児童問題に対応しようとしています。
日本共産党は、10万人分の保育所建設は1700億円あればできるとの試算も示して、保育所づくりを強力に後押ししています。
財源について日本共産党は、「庶民増税との抱き合わせ」に強く反対してきました。国民と共産党の批判で、今回の法律では、子ども手当が支給される世帯以外への増税の抱き合わせは食いとめられました。
しかし鳩山政権には財源のめどがないため、来年度、配偶者控除や成年扶養控除廃止などの増税が検討されています。日本共産党はそれには反対してゆきます。
外国人への支給は
外国人への支給については、日本に子どもと一緒にいる場合、排除すべきではないと考えます。日本は1981年に難民条約を批准しました。同条約は、国内に住む難民に社会保障で自国民と同じ待遇を与えるよう批准国に求めています。
児童手当は、71年の法制定時には「日本国民」との支給要件がありましたが、難民条約批准にともない国籍条項は撤廃され、外国人居住者にも支給されてきました。
ヨーロッパでも、居住する外国人に支給しており、子どもと一緒に住む日本人も手当を受けています。それが世界の流れだといえます。
ただ、イギリスなども原則として「子どももイギリスにいる場合」としており、子どもが外国にいる場合などについては一定のルールの整備が求められます。
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