2010年4月15日(木)「しんぶん赤旗」
米兵犯罪
裁判権放棄密約調査を
井上議員に岡田外相 「優先順位を考える」
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日本共産党の井上哲士議員は13日、参院外交防衛委員会で、米兵犯罪に対する裁判権を重要案件以外は日本が放棄するとした密約について、外務省として調査するよう要求し、岡田克也外相は前向きな姿勢を示しました。
井上氏は、米政府の解禁文書の中にあった1953年10月28日の日米合同委員会の秘密議事録に、日本側部会長が「日本に著しく重要と考える事件以外では、裁判権を行使するつもりはない」と発言したことが明記されていると指摘。さらに、前政権はこの密約を否定してきたが、外務省の日米密約の調査で明らかにされた58年10月4日の岸信介首相、藤山愛一郎外相、マッカーサー駐日米大使の会談録が、この秘密議事録の内容を裏付けていることを示し調査を求めました。
岡田外相は、会談録に密約の存在を示す記述があることを認め、「調査するのなら徹底的にやらなければならない」「今後、外交文書の公開について、行政協定、地位協定に関するものは優先順位を高めることが考えられる」とのべました。
井上氏は、日本における一般刑法犯の起訴率(自動車による過失致死傷を除く)と、米軍関係者の同起訴率を質問。法務省は、01年から08年までの年平均の起訴率が48・6%である一方、米軍関係者の起訴率は17・5%との数値を明らかにしました。
井上氏は、「米兵の起訴率は3分の1だ。土台に密約があり米軍優遇になっている」と述べ、重ねて調査を求めました。