2010年4月15日(木)「しんぶん赤旗」
上関原発は中止に
市田議員 生態系を脅かす
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日本共産党の市田忠義議員は13日、参院環境委員会で、環境影響評価法改定案が発電所を戦略的環境影響評価の対象から除外している問題に関連し、中国電力の上関原子力発電所建設計画が絶滅危惧(きぐ)種をはぐくむ生態系を脅かしかねないと指摘し、海洋保護区の指定とともに、同計画の中止を求めました。
市田氏は、瀬戸内海国立公園内にある同原発予定地(山口県上関町)は、国指定天然記念物のカンムリウミスズメやカラスバトなど「絶滅危惧種の宝庫」だと指摘。全国各地で発電所の温排水によるノリやワカメの品質低下や漁獲量の減少も報告されているなか、同計画は「最悪の選択だ」と強調しました。
また、日本生態学会など3学会がそろって慎重な調査と対応を求める要望書を出したのに対し、中国電力側が「影響は少ない」として開き直ったことも示し、「環境省が積極的な指導性を発揮すべきだ」と求めました。
小沢鋭仁環境相は、「指摘を聞いて、なかなか(同電力側の自発的な)対応は難しいとの印象を持った」と述べ、省内でのさらなる議論と検討を踏まえ判断したいと約束しました。
市田氏は、「安全性が確保されていない原発そのものに反対だが、その是非を超えても、こういう場所での建設計画はやめるべきだ」と迫りました。