2010年4月17日(土)「しんぶん赤旗」
自衛隊の「ネット衛星」利用
「戦争技術の実証」
吉井議員 軍事利用を追及
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日本共産党の吉井英勝議員は16日、衆院経済産業委員会で宇宙の軍事利用の実態を追及しました。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の超高速インターネット衛星「きずな」を利用して、自衛隊が無人航空機実験の映像を伝送する試験を行った問題で、吉井議員は、研究開発などを「平和の目的に限り」行うと定めるJAXA法に照らして問題だと批判しました。
問題の試験は、今年1月、航空自衛隊と情報通信研究機構(NICT)が共同で実施しました。自衛隊基地がある硫黄島(東京都)で無人機実験の様子をハイビジョン動画で撮影し、遠隔地から大容量の宇宙通信が可能なきずなを介して本土に伝送。埼玉県の入間基地の施設で状況を把握しました。
吉井議員は、無人機は可視光と赤外線のカメラを備えており、司令部に情報を送る警戒機の役割を果たしたり、目標をとらえて正確な攻撃もできると指摘。アフガンやコソボなどで、無人機システムが実戦に使われていることをあげて、今回の実験を「戦争の無人化を進める技術の実証といっても過言ではない」と述べ、政府の姿勢をただしました。
文科省は「当該機能の利用や技術レベルは一般化している。問題はないと考える」などと答えました。
きずなは、超高速データ通信の新技術の開発・実証を目的とする衛星で、JAXAとNICTが共同で開発・運用しています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)法 文部科学省が所管する独立行政法人で、日本の宇宙開発利用を担うJAXAの目的や業務を定めた法律。第4条で、ロケット打ち上げや人工衛星の研究開発などについて、「平和の目的に限り」行うと定めています。JAXAは宇宙開発事業団、宇宙科学研究所などの統合で2003年に発足。