2010年4月20日(火)「しんぶん赤旗」
生活再建へ“旅立ち”
ワンストップの会「交流会」
定例相談会終了
「公設派遣村」利用者の生活再建を支援してきた「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」(代表・宇都宮健児弁護士)は18日、東京都内の全労連会館で、毎月続けてきた相談会を終わりにする「旅立ち交流会」を行いました。ワンストップの会が支援した人のほとんどが生活保護制度などで住居を確保し、職業訓練や就職活動に取り組んでいます。
今後は個別の相談に応じる体制を残し、活動に区切りをつけます。
当事者や支援者ら40人が、立食形式でおにぎりやサンドイッチを囲んで近況を交流し、時に言葉を詰まらせていました。
宇都宮代表(日弁連会長)は、「新しい旅立ちを応援します。これからもいろいろな場面で交流しましょう」と述べ、「貧困と格差で苦しむ人を助ける活動を全国に広げたい」と強調しました。
井上久全労連事務局次長は、「今後も、みなさんの相談は受けるので、大変な事態になる前に連絡をください」と呼びかけました。
ビルメンテナンスで働き、ハウスクリーニングの自営業を始めて失敗した男性(43)は、血圧は200以上の高さ、足のまめをつぶして歩けない状態で支援を受けました。「たった1枚のビラを手にしたとき、ここまでやってくれるとは思わなかった」とボランティアに感謝を述べました。
日産車体や三菱のエンジン工場などに派遣されていた男性(55)は、「日比谷公園の年越し派遣村は、テレビで見ていた。まさか自分も切られると思っていなかった」といいます。「正社員になりたいが、求人誌には、派遣が多い。『派遣切り』被害者を生んだ派遣法は改正し、派遣先大企業の責任を追及してほしい」と語りました。
参加者には、「生活お役立ち情報」の冊子がプレゼントされました。生活保護費の上手なやりくりの仕方や、1週間の献立表などが載っています。
自炊に慣れない人からは、「ゆで卵は何分ゆでればいいですか」「『だし』とは何ですか」などの質問が出され、会場が笑い声に包まれました。
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