2010年4月21日(水)「しんぶん赤旗」

温暖化対策 25%削減へ前提条件やめよ

拘束力ある公的協定を

基本法案 笠井議員、抜本修正迫る


 地球温暖化対策基本法案の審議が20日から衆院で始まり、日本共産党から笠井亮衆院議員が質問に立ちました。同法案は、温室効果ガスの2020年の中期削減目標(1990年比25%減)に、すべての主要国による国際的枠組みづくりと意欲的な目標の合意という条件をつけ、条件が満たされない限り目標設定がされない仕組みとなっています。笠井氏は、こうした問題点を指摘し、法案の抜本的修正を求めました。(質問要旨)


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(写真)地球温暖化対策基本法案について質問する笠井亮議員=20日、衆院本会議

 笠井氏は25%目標の前提条件について、「これは、旧政権が目標設定を避ける口実にした理屈とまったく同じで、温暖化対策に激しく抵抗している一部の業界や大企業の主張そのものだ」と批判。「共通だが差異ある責任の原則にのっとり、他国がどうあれ、日本が先進国としての責任を果たすべき」とのべ、前提条件を削除することを求めました。

 条件つきで掲げた削減目標自体についても、削減を裏づける実効ある措置が盛り込まれていないと指摘。排出量の8、9割を占める産業界の排出を規制するために「欧州各国が取り決めているような、政府が産業界と拘束力ある公的協定を結ぶことが不可欠」とのべ、締結を求めました。太陽光発電など再生可能エネルギーの導入目標(20年)は低いと指摘し、法案の10%から20%に引き上げることを求めました。

 削減目標にふさわしい実効ある対策がないために原発推進に頼るものになっており、政府の「エネルギー基本計画」で旧政権の計画を上回る原発の新増設と稼働率引き上げを掲げていると批判。技術的に未確立で安全性が確立されていない原発に頼るべきでないとのべ、原発推進条項の削除を求めました。

 鳩山首相は「日本だけが高い目標を掲げても気候変動をとめることはできない。前提条件は必要」「原発は低炭素社会に不可欠だと考えている」と答えました。産業界との公的協定については、国内排出量取引制度を設けるとのべるにとどまりました。





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