2010年4月24日(土)「しんぶん赤旗」
普天間基地問題は歴史的岐路
無条件撤去の決断を
志位委員長が鳩山首相と会談
日本共産党の志位和夫委員長は23日、国会内で鳩山由紀夫首相と党首会談をおこない、核兵器廃絶問題と沖縄・米軍普天間基地問題について、日本共産党の立場を表明するとともに、政府への提起をしました。日本共産党から市田忠義書記局長、小池晃政策委員長、穀田恵二国対委員長が、政府からは松野頼久官房副長官が同席しました。
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核兵器廃絶を主題とした国際交渉を
志位氏は冒頭、5月3日からニューヨークで始まるNPT(核不拡散条約)再検討会議出席のため、自身を団長とする党代表団が30日から訪米するとのべました。志位氏は、今回のNPT再検討会議について、2000年の同会議で合意された、「自国の核兵器廃絶を達成するという全核保有国の明確な約束」を再確認し、核兵器廃絶への接近と実現への新たな一歩を踏み出す会議として成功することを強く願っているとのべ、「被爆国の政党として全力をあげて奮闘したい」と表明しました。
この問題での日本政府の姿勢について志位氏は、3月23日に発表された再検討会議に向けての日本政府の作業文書が、「核兵器の完全な廃絶を達成するとの核兵器国による明確な約束を再確認する」と明記していることは評価できるし、米ロ新START(戦略兵器削減条約)の進展、CTBT(包括的核実験禁止条約)早期発効など核軍縮の部分的措置の推進をのべていることも重要だが、「これらの措置と一体に、核兵器廃絶そのものを正面からの主題とした国際交渉を開始する、そうしてこそ『核のない世界』に到達できる。そのことを被爆国の政府として世界に訴えることが重要だ」と提起しました。
鳩山首相は、「核廃絶に向けて、すべての国が協力することは大切だ。(核廃絶を)『いつまでに』という話であればもっとよい。日本共産党の立場は理解するし素晴らしい。(ニューヨークで)大いにそのことを主張してきてほしい」とのべました。
沖縄の怒りは限界点をこえている
つぎに志位氏は、21日にルース駐日米国大使と会談し、核兵器廃絶問題と普天間基地問題で意見交換した内容を伝えるとともに、政府への要求をおこないました。
志位氏は、県議会が全会一致で「普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設反対」の決議を採択していること、沖縄タイムスのアンケート調査に、県内の41市町村長すべてが「県内移設反対」と答えていること、名護市新市長に選出された稲嶺進氏が「名護市の海にも陸にも新基地をつくらせない」と明言していること、25日には大規模な県民大会がおこなわれることなどを指摘。「この問題の源流の一つには、1995年の少女暴行事件があり、痛ましい事件や事故はこれ以上受忍できないという深い思いが、マグマのように噴出している。沖縄の情勢は、後戻りすることが決してない限界点を超えているという、認識をもつべきだ」と強調しました。
そして、「移設先」に名前のあがった鹿児島県・徳之島でも住民の6割が参加して空前の反対集会が開かれているもとで、「解決の道はただ一つ、移設条件なしの無条件撤去しかない」、「これは首相自身が数年前に主張していたことだ。いまからでも遅くはない。その立場に立って米国政府と交渉するべきだ。首相がその立場に立つならば、わが党はあげて応援する」と強く迫りました。
鳩山首相は、「気持ちは理解するが、安全保障の観点から、『はい、そうしましょう』とはいえない。沖縄の人々の心を少しでもやわらげなければと思うが、厳しい局面だ」とのべました。
志位氏は、「安全保障」の観点というが、安保条約のもとでも米国を動かした経験はあるとして、1969年に日米両国政府が沖縄の施政権返還で合意したが、それは沖縄と本土の返還運動を背景に、サンフランシスコ条約(第3条)の壁を乗り越えて実現したものだと力説。「いま同じような決断が迫られる歴史的岐路にある。そのもとでの歴史的な決断をおこなうべきだ」と、無条件撤去の立場に立つよう重ねて求めました。
鳩山首相は、「私たちの頭のなかには共産党のようなすっきりした答えはつくれない。ぜひ(そのことを)アメリカで言ってきてください。訪米の成功を祈っています」と答えました。