2010年4月24日(土)「しんぶん赤旗」
被害の建設労働者救え
首都圏アスベスト訴訟 2次提訴
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建設現場でアスベスト被害を受けた東京、埼玉、千葉、神奈川の建設労働者と遺族176人が23日、国と建材メーカー44社を相手取り、総額67億円の慰謝料を求める訴訟を東京地裁と横浜地裁に起こしました。
2008年5、6月に両地裁に起こした首都圏建設アスベスト第1次訴訟に次ぐ第2次訴訟です。第1次訴訟(212人)の生存原告116人のうち提訴後28人が亡くなっています。
提訴に先立ち、都内で訴訟支援集会が開かれました。5月に大阪地裁で判決が出る大阪泉南アスベスト国賠訴訟関係者や、被害者と家族の会結成を準備している京都の代表らが連帯あいさつ。大阪から参加した家族会の武村絹代さんは「大阪泉南はアスベスト被害の原点です。首都圏建設訴訟は最大の被害者の数です。東と西で手をとりあって頑張りましょう」と述べました。
2次訴訟原告団の各都県代表は「好きな仕事で被害に遭った悔しい思いを晴らしたい」「対策を取ろうと思えば取れたはず。国と企業による犯罪だ。無念の思いで亡くなった仲間に勝利報告するまで頑張る」と決意を語りました。
弁護団長の小野寺利孝弁護士は「第2次提訴は1次原告団を励まし、建設アスベスト訴訟の全国化に大きく貢献しています。この提訴は国、建材メーカーに大きな衝撃をあたえる」と強調しました。
支援集会には日本共産党の小池晃参院議員が駆けつけ、連帯のあいさつをしました。
横浜市でも支援集会が開かれました。
建設アスベスト被害 建材に含まれる石綿を吸引して肺がんや石綿肺になる健康被害。石綿の発がん性は1950年代から明らかになり、諸外国は90年代半ばまでに禁止。日本では国が使用を促進し、建築基準法で禁止したのは06年でした。