2010年4月25日(日)「しんぶん赤旗」

米兵犯罪起訴に制約

検察審議決の効力ただす

井上議員


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(写真)質問する井上哲士議員=22日、参院外交防衛委

 井上哲士議員は22日の参院外交防衛委員会で、米兵など米軍関係者の犯罪への不起訴処分に対する検察審査会の「起訴相当」などの議決の効力が制約を受ける問題を初めて取り上げ、政府の見解をただしました。

 日米合同委員会の「合意」(1953年)により、米兵などによる犯罪について日本側が1次裁判権を行使するかどうかの判断は、軽微な事件で10日以内、重大事件でも20日以内に米側に通告しなければなりません。

 井上氏は、検察審査会の議決による強制起訴制度が新たに設けられ、明石市の歩道橋事件で初めて行使され注目されていると指摘。米兵犯罪をめぐり、日本が不起訴とした場合や、期限内に米側に通告せずに日本が裁判権を行使できなくなった場合、被害者から不服が申し立てられ、同審査会が「起訴相当」などの議決をした場合の効力はどうなるのかとただしました。

 加藤公一法務副大臣は「大変鋭い質問だ」「一つの大きな課題であることは事実だ」と認めました。

 井上氏は、過去に大阪地検が同様の質問をしたのに対し、法務省側が「裁判権がなくなったのであるから、いかんともしがたい」と回答したことが、同省の部内秘文書『通達・質疑回答・資料集』に明記されていると指摘。「米軍関係者の事件の被害者だけが、公訴権行使に声を反映させる権利を奪われることになる」と批判しました。





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