2010年5月17日(月)「しんぶん赤旗」
「得意先7社も廃業・倒産」「10年以上借金を返すだけ。何も残らない」
中小企業の苦境切々
東大阪 ものづくりの街で
市田氏 経営者と懇談
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日本共産党の市田忠義書記局長は16日、ものづくりの街、大阪府東大阪市内で中小企業経営者23人と懇談し、不況下の経営実態や要望を聞きました。吉井英勝衆院議員も参加。「得意先が7社も廃業・倒産した」「10年以上、借金を返すだけで何も残らない状況だ」という業者の悲痛な声が相次ぎました。
懇談会は、党市議団と党東大阪地区委員会の共催です。同日の経済シンポに先立って開催。朽原亮府議が司会し、谷藤久地区委員長があいさつしました。
機械部品の製造業の男性(47)は「リーマン・ショック以降、受注が3割減ったが他はもっとひどい」と指摘。60代男性は、同業者が「子どもに継がせる仕事じゃない」と廃業し、技術の継承が失われつつあると涙ながらに訴えました。
「無秩序な」大手企業との取引ルール強化を求める声も相次ぎました。機械工業会社の経営者は、再三の単価切りを受け「もっと公正な取引ルールをつくって」と語りました。
党が4月に発表した中小企業政策の話題も。固定費補助などの緊急・直接支援が「本当に助かる」と実現を求める声が出ました。
参加者の発言を受け、吉井氏は、ものづくりの基盤集積地の崩れが、日本経済全体の問題に波及すると危ぐし「国や自治体を、中小企業や地域経済を支える方向に変えさせたい」と力を込めました。さらに市田氏は、「困難でも歯を食いしばって、ものづくりと日本経済の土台を支える皆さんの姿に心打たれた。しっかり受け止めて、政策や国会での論戦に生かしていきたい」と話しました。
懇談会の前には、市田氏と吉井氏らが、市内で精密機械を製作する中小企業を訪問、経営者の男性(65)から製造過程などについて説明を受けました。
主力部品が2年近く受注ゼロで、売り上げも半減。それでも従業員を一人もリストラせず、人材育成に努めているという現状に、市田氏は「文字通り企業の社会的責任を果たしているわけですね」と応じました。