2010年5月18日(火)「しんぶん赤旗」
志位委員長 NPT議長に再度の要請
核兵器廃絶交渉への動きうけ
日本記者クラブ講演で公表
日本共産党の志位和夫委員長は17日、東京都内の日本記者クラブで米国訪問を主題に講演をおこないました。このなかで志位氏は、16日、核不拡散条約(NPT)再検討会議のリブラン・カバクチュラン議長あてに再度の要請の書簡を送ったことを明らかにしました。(書簡全文)
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志位氏は、講演のなかで、「帰国後、ビッグニュースを聞きました」とのべ、14日発表されたNPT再検討会議の第1委員会(核軍縮)の報告草案に、核兵器の完全廃絶のための行程表(ロードマップ)を検討するために国際交渉を開始するとの提起が盛り込まれたことを紹介しました。
報告草案は、「核軍備削減・廃絶の最終段階に到達し、核兵器のない世界を維持するために必要な法的枠組み」の具体策として、「核保有国は、核軍備削減・廃絶における具体的な進展を促進するために2011年までに協議を開始するものとする」(「行動6」)、「具体的な時間枠内での核兵器の完全廃絶のためのロードマップについて合意する方法と手段を検討するため、2014年に国際会議を招集する」(「行動7」)ことを提起しています。
志位氏の書簡は、これらの提起について、「過去の再検討会議にはなかった画期的なものです。それは、私たちがあなたにお伝えした『核兵器廃絶の目標そのものを主題として、この目標にいたるプロセスを検討する国際交渉を開始する』という要請と合致し、被爆国・日本の反核平和運動が求めていることそのものです」とのべています。そして、「私は、この提起を心から歓迎するとともに、これが実行に移されれば『核兵器のない世界』に向け大きな前進がはかられるものと確信するものです」として、「報告草案に示された方向が実を結ぶよう」、カバクチュラン議長に尽力を要請しています。
さまざまな困難をのりこえ実ることを願う
志位氏は、講演のなかで、「第1委員会の報告草案が、最終合意にどう取り入れられるかは、予断をもっていえません。前途にはさまざまな困難も予想されますが、交渉の過程でこうした方向が示されたこと自体が、国際政治の画期的な前進を示しています。日本共産党も、日本の反核平和運動とともに、この方向が実るよう、可能なあらゆる取り組みをおこなう決意です」とのべました。
同趣旨の要請の書簡は、ボニフェス・シディヤウシクNPT再検討会議第1委員会・委員長、セルジオ・ドゥアルテ国連上級代表(軍縮担当)にも届けられました。