2010年5月18日(火)「しんぶん赤旗」
対等・平等でこそ日米友好はつくられる
日本記者クラブ 志位委員長が講演
日本共産党の志位和夫委員長は17日、日本記者クラブで講演し、4月30日から5月8日までの初訪米の全体像を語るとともに、「今度の訪米で、わが党と米国政府・議会との間で、第一歩ではあるが、対話の道が開かれたことは重要だと考えます」とのべました。
志位氏は、今回の訪米では、(1)「核兵器のない世界」を願う、被爆国・日本の国民の思いを、国際社会に訴える、(2)「基地のない沖縄」「対等・平等・友好の日米関係」を願う、沖縄県民、日本国民の声を米国政府に直接伝える――という「二つの仕事ができたと思います」とのべました。
志位氏は、核不拡散条約(NPT)再検討会議の主催者、国連関係者、各国代表団との会談を通じて、「『核兵器のない世界』を築くという意思、この歴史的チャンスを必ず生かしたいという思いは国際社会の圧倒的多数になっている」こと、「核兵器廃絶のための国際交渉開始の要求が、国際社会の大勢になっている」ことを実感したと話しました。
米国政府との会談では、米軍普天間基地問題を含め1時間15分にわたって厳しいやりとりがあったことを紹介しつつ、「立場が違っても、意見交換を続けることは有益だという点で一致したことは、今後にとってたいへんに重要なことだと思います」と強調。ワシントンでの民主・共和両党の連邦議会議員との会談でも、話題は旧ソ連問題への対応やマルクスとリンカーンの交流にまで及んだことなども紹介しました。
志位氏は、訪米全体の感想として「私たちが主張し、行動したことは、本来なら日本政府がやってしかるべきことではないかと思います」とのべ、NPT再検討会議での日本政府の対応の問題点を指摘。また、同じ時期、沖縄を訪問し、「県内移設」方針を表明した鳩山由紀夫首相の行動を批判し、「米国でこのニュースに接し、“行く方角をまったく間違えている”と感じました」とのべました。
最後に志位氏は、「一連の会談をつうじて、米国との関係では、自らの意見をはっきり主張することが大切だと実感しました」とのべるとともに、「支配・従属ではほんとうの日米の友好はつくれません。対等・平等でこそほんとうの友好がつくれます。21世紀には、そうした未来ある日米関係を築いていきたい」と結びました。