2010年5月20日(木)「しんぶん赤旗」
トラブル続発もんじゅ
井上議員追及 教訓生かされず
参院委
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日本共産党の井上哲士議員は、18日の参院外交防衛委員会で、約14年ぶりに運転を再開したばかりの高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)でトラブルが続発している問題を取り上げ、国と日本原子力研究開発機構の姿勢をただしました。
もんじゅは、6日の運転再開直後から原子炉の燃料漏れを検出する装置の警報が6回鳴るなどのトラブルが相次ぎました。10日には、制御棒の操作方法を運転員が教育も訓練も受けていなかったために最後まで入りきらない事態も発生しました。
井上議員は、燃料漏れ検出装置から警報が出たときに敦賀市など地元自治体にただちに連絡されなかったことに、敦賀市長が不快感を示していることを指摘。原子力機構の前身の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が1995年のナトリウム漏れ・火災事故の際にビデオを改ざんして世論の批判を浴びたことなど、過去の教訓が生かされていないと迫りました。
経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、「公表のとりくみが十分でなかったのは事実だ」と認め、「研究開発段階で、起こった事象を今後に反映していくことが必要」などと述べました。
井上議員は、もんじゅ運転再開に向ける地元住民の目は厳しいと指摘。高速増殖炉は安全性からも経済性からもさまざまな問題があると強調し、原発以外の多様なエネルギー技術確立に政策の視野を広げるよう求めました。