2010年5月21日(金)「しんぶん赤旗」
大手銀行の法人税
3メガは10年以上 0円
大手銀行による2010年の法人税納付額が4年ぶりにゼロになることが明らかになりました。07年に大手銀行で唯一納付を再開していた住友信託銀行の10年3月期の課税所得が赤字に転じ、国に納める今年の税額がゼロになるためです。
10年3月期決算では、大手銀行6グループはそろって黒字となりました。合計で1・1兆円超の利益をあげているにもかかわらず、納税はゼロという異常な事態です。
三大銀行(メガバンク)グループ傘下の6銀行についてみると、10年以上、法人税をまったく払っていません。
企業は法人税納付に際し、過去の損失を7年間繰り越して黒字と相殺できます。大手銀行は、不良債権処理で発生した巨額の損失を繰り越すことで課税所得が相殺され、法人税納付ゼロの状態が続いています。
巨額の利益をあげても、法人税を軽減できるこの制度は、04年度税制「改正」で、財界・大企業の強い要求を受け、繰越期間が当初の5年から7年に延長されました。
大手銀行は、住友信託を除き、なおも繰り越しができる過去の多額の欠損があり、法人税納付再開はさらに延びる可能性があります。