2010年5月22日(土)「しんぶん赤旗」
リスクは国民負担
資源機構法改定案を批判
吉井議員
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衆院経済産業委員会は19日、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)法改定案を採決し、民主党、自民党、公明党の賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
同改定案はJOGMECが鉱山採掘権利の買収に出資できるようにするとともに、政府保証をつけるなど支援機能を拡充することが柱。日本共産党の吉井英勝議員が反対討論を行いました。
吉井氏は、資源関連大企業によるリスクの高い開発・生産を政府が支援するもので、開発が成功した場合は利益は大企業に行き、失敗した場合は国民負担になると指摘。ばく大な国費の不良債権化と浪費問題を問われて廃止した、石油公団、金属工業事業団の支援制度をなんの反省もなく復活させるものだと批判しました。
また、海外ウラン鉱山の探鉱・開発・生産をすすめ、国内外における原発の新・増設、核燃料サイクル政策をすすめるもので、原発推進政策は、核兵器の材料になるプルトニウムの蓄積をもたらし、核廃棄物処分や放射能汚染など地球環境問題を内包すると述べました。
採決に先立つ質疑で吉井氏は、アフリカの資源産出国における資源生産に占める外国企業の割合(外資シェア)と、国民の生活の質や発展度合いを示す人間開発指数の推移をしめし、外資シェアの高いところで、人間開発指数の順位が落ちていると指摘。日本の資源戦略をただしました。
直嶋正行経産相は「略奪により貧しい国はたしかにある。しかし日本の資源開発は相手国を配慮し、互恵的なものだ」と答弁。
吉井氏は、日本の開発が相手国に環境破壊や健康被害を出していることを具体的に示して「資源開発は相手国の環境を破壊してはならないし、貧富の格差の是正に貢献すべきだ。根本的に考えるべき時だ」と強調しました。