2010年5月24日(月)「しんぶん赤旗」
燃料の組成明らかに
吉井氏 「もんじゅ」問題で追及
日本共産党の吉井英勝議員は21日の衆院経済産業委員会で、約14年ぶりに運転を再開した日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の燃料に含まれるプルトニウムの組成を明らかにするよう迫りました。
プルトニウムには、原子核に含まれる中性子の数の違いによっていくつもの種類(同位体)があります。
吉井議員は、「社団法人原子燃料政策研究会」の報告書では、プルトニウムの組成にもとづいて核兵器級、原子炉級などに分けられているとして、もんじゅの燃料に含まれるプルトニウムがどれに該当するのか説明を求めました。文部科学省の藤木完治研究開発局長は、「公表していない」として明らかにしませんでした。
吉井議員は、「公表できないというのでは核兵器生産能力をもつプルトニウムが使われていることを否定できない」と追及。藤木局長は、「原子炉級に該当する」と答えましたが、具体的組成は示しませんでした。
吉井議員は、「米国防総省の研究の中で、原子炉級でも核兵器はつくれるという報告を出している」として、もんじゅの運転は国際的な疑念を招くと指摘。1995年のもんじゅのナトリウム漏れ・火災事故のときに、ビデオの隠ぺいが問題になったが、今も変わっていないことが明らかになったと述べ、もんじゅ運転の中止を決断するよう求めました。
直嶋正行経済産業大臣は、「課題があるのは事実」と認めましたが、推進の立場を改めて表明しました。