2010年5月26日(水)「しんぶん赤旗」

口蹄疫問題での

赤嶺議員の質問

衆院本会議


 日本共産党の赤嶺政賢議員が25日の衆院本会議で行った口蹄(こうてい)疫問題での質問は以下の通りです。

 はじめに、口蹄疫の感染被害農家およびすべての関係者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

 今、最も重要なことは、この口蹄疫を何としても抑え込み、拡散をさせないことです。そのためには、感染した家畜をいち早く殺処分して、埋却することです。しかし、家畜防疫上のこの基本的なことができていません。そのことが、今、感染を広げている最大の原因です。

 殺処分対象家畜14万5358頭のうち、殺処分されていない家畜は6万7769頭に及びます。驚くことに、5月7日に感染が確認された家畜も未処分のままです。埋却地の確保を家畜所有者や市町村任せにしていたため、その確保ができず、殺処分できない感染家畜が滞留し、ウイルスが大量に排出され続けているのであります。

 殺処分に従事する獣医師をはじめ、家畜を誘導する人員も不足しています。埋却する重機なども十分とは言えません。これにワクチン投与家畜20万頭の殺処分が加わるわけですから、事態は深刻です。

 政府は、責任を持って埋却地の確保を行うとともに、ありとあらゆる人的資源と機材を投入して、感染家畜の殺処分と埋却を行わなければなりません。それにふさわしい手立てが取られているのでしょうか。総理の責任ある答弁を求めます。

 畜産農家にとって、手塩にかけて飼育してきた家畜の殺処分を受ける苦悩は筆舌に尽くせません。感染していない畜産農家もいつ感染するかと日々不安な状況に置かれ、その精神的重圧は極限に達しています。このような畜産農家を支え、経営を守ることは、政府の最も優先すべき課題です。

 感染被害農家については、殺処分家畜の全額補償はもちろん、家畜の評価額の算定に当たっては、農家が再生産可能な価格で評価するなど、生産者の立場に立って行うべきではありませんか。

 感染被害農家が立ち直り、経営を再建するまで、政府は責任を持たねばなりません。

 畜産業は、ゼロからスタートする場合、家畜を販売して収入を得るまで、牛でいえば3年ほどは無収入で、飼育経費がかかる状況が続きます。

 畜産農家は多額の借金を抱え、飼料高の中、デフレによる販売価格の下落で、経営はぎりぎりの状況に置かれています。ゼロどころか、マイナスからのスタートです。このような状況で、経営再建のために新たな借金をすることができるでしょうか。

 政府の責任で、もとの経営を再建するまでの営農・生活資金を直接支援するための特別措置法を早急につくるべきではありませんか。

 今、ワクチン接種が進められていますが、十分な畜産農家に対する説明と同意が前提であり、決して強制されてはなりません。

 その際、農家が最も不安に思っている経営再建のための政府による直接支援を明確にするべきです。そうしたことがなければ、農家の同意を得られず、ワクチン接種の効果を上げることができないことは明らかです。答弁を求めます。

 今回、口蹄疫被害がここまで拡大したことの原因と責任は、徹底的に究明されなければなりません。

 少なくとも、感染の急速な拡大を許したことは、政府の対応の不十分さを示しており、政府はその反省の上に立って、口蹄疫を抑え込み、被害畜産農家の経営を再建するため、十分な予算の確保と必要な立法措置を取るべきであります。総理の明確な答弁を求めます。





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