2010年5月29日(土)「しんぶん赤旗」
自立支援法「延命」法案
民・自・公が強行可決
高橋議員 障害者抜きと批判
衆院厚生労働委員会は28日、障害者自立支援法の「延命」につながる「自立支援法一部改定案」を民主、自民、公明各党の賛成多数で可決しました。日本共産党、社民党は反対しました。
同法案は、提出されていた自民・公明議員の案と民主・社民・国民新議員の案を取り下げ、委員会提出法案として一本化したもの。質疑時間はわずか1時間15分でした。
日本共産党の高橋ちづ子議員は反対の意見を表明しました。高橋氏は、反対の最大の理由は当事者の意見を踏まえないでいきなり提出を行ったことにあると強調し、その背景には労働者派遣法改定を強行するための環境づくりという国会対策の思惑があると指摘しました。
高橋氏は、与党は廃止までの「つなぎ」法案だというが、時限立法であることが明記されていないうえ、完全施行日が2012年4月と今から2年後になっていることを示し、「自立支援法延命がねらいではないかとの疑念を持たざるを得ない」と表明。当事者参加での議論と立法こそ行うべきだと述べました。
傍聴席に入りきれないほど多数の障害者が審議を見守りました。岩手・花巻市からかけつけた視覚障害者の小田嶋保子さん(61)は、「障害者も参加して12回開かれてきた障がい者制度改革推進会議の議論を全部録音で聞いています。さまざまな意見が出されているのにその中身が反映されていません。私たち抜きの法案です」と目を赤くしました。
■関連キーワード