2010年5月29日(土)「しんぶん赤旗」
郵政「改革」
“全国均一”保証なし
塩川氏指摘 金融2社に義務必要
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日本共産党の塩川鉄也議員は28日、衆院総務委員会でこの日審議入りした郵政「改革」関連法案の問題点を指摘しました。
塩川氏は、同法案では、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の金融2社に直接ユニバーサル・サービス義務を課すのではなく、金融2社の株式の3分の1超を保有する親会社に義務を課していることを指摘。なぜこれでユニバーサル・サービスが確保されるのかただしました。
大塚耕平郵政改革担当副大臣は、「3分の1超の株式を保有していれば、会社法上、『経営上重要な事項に係る決議を単独で阻止可能』になり、定款などを勝手に変更して、ユニバーサル・サービスから免れることができないからだ」と答えました。
これに対し塩川氏は、金融2社は民間会社でもあり、ユニバーサル・サービスと経営の自由を両立させる定款が可能なのか、定款の案を提示するよう求めました。亀井静香郵政改革担当相は「そのような定款をつくりたい」と述べるだけで、具体的に示す約束はできませんでした。
塩川氏はユニバーサル・サービスを維持するためには、大きなコストがかかるが、金融2社が負担を拒否する可能性もあるとして、ドイツの例を提示。同国では郵便局の手数料をめぐって、ドイツポストと金融子会社ポストバンクが対立し、最終的にはドイツポストがポストバンクの株式を全額購入し、100%子会社にすることで決着しています。
塩川氏は「今回の法案のしくみでは金融のユニバーサル・サービスを担保することはできない」と強調しました。