2010年5月30日(日)「しんぶん赤旗」
“こころの健康推進”を
精神保健医療改革を提言
政策構想会議
「当事者や家族をはじめ国民のニーズを主軸に据えた」精神保健医療改革をめざし、4月以来、議論を重ねてきた、こころの健康政策構想会議(座長=岡崎祐士・東京都立松沢病院院長)は29日、東京都内で開かれた会合で提言書を発表しました。提言書は28日、長妻昭厚生労働相に、2万4千を超える賛同署名とともに直接手渡されました。
「“こころの健康推進”を日本の基本政策に!」と題する提言は、A4判で漫画解説付き40ページ。病気や障害による損失の大きさを示す世界保健機関(WHO)の健康・生活被害指標(DALY)で、日本は精神疾患がトップです。現在、受診中の精神疾患患者は国民の40人に1人、「現状は国民のこころの健康の危機」とし、その背景に、サービス提供の体制が対応できていない▽国の法律・医療制度として精神疾患患者への差別が続いている―と指摘しています。
国民のこころの健康の回復と増進は国家的戦略課題であり、国としての包括的な政策の確立が急務として、三大疾患にふさわしい改革を進めるうえでの人手と費用について、精神医療の人的配置と診療報酬を一般医療と同等にするなどを提起しています。
岡崎座長は、提言を実現していくために、今後、秋までに100万人を目標に賛同署名にとりくむなどの提起をおこないました。
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