2010年6月1日(火)「しんぶん赤旗」
民主の強権運営
「郵政」強行 「普天間」回避
週明け、内閣支持率が2割を切る世論調査結果が発表されたにもかかわらず、民主党による強権的国会運営の暴走は止まる気配をまったく見せていません。31日には、28日に衆院総務委員会で強行採決した郵政「改革」関連法案について、委員会に「差し戻せ」という野党の反対を押し切り、衆院本会議での採決を強行し、終日にわたり混乱を極めました。
集中審議の要求を無視
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31日に発表された世論調査では、沖縄・米軍普天間基地問題についての日米共同発表(28日)について、この決定に至る首相の言動を「問題だ」としたのは81%(「読売」)に上りました。また、この問題をめぐる首相のとりくみを、「あまり評価しない」が40%、「全く評価しない」が39%となっています。(「朝日」)
日本共産党をはじめとする野党が要求するように、この問題での集中審議を衆参の予算委員会でおこなうことこそ、国会の役割としていまもっとも重要になっています。
また、社民党の離脱により、連立政権の枠組みが変わったもと、政府が新たにどのような政権運営をおこなっていくのかの基本を本会議で説明し、各党で議論することも求められています。
しかし、民主党の山岡賢次国対委員長は31日、日本共産党などの求めに対し、いずれの問題についても明確な約束をおこないませんでした。
派遣法改定 問答無用で
一方で、民主党に都合のいい法案の審議・採決のごり押しは相変わらずです。
同党は28日、衆院総務委員会でわずか6時間の審議をおこなっただけで郵政「改革」関連法案の採決を強行しました。「構造改革」路線を総括し、郵政を公正な公共サービスとして再生させるための徹底した審議が必要ななかでの前代未聞の暴挙です。
日本共産党はじめ野党4党の国対委員長は31日、この日の衆院本会議で同法案を採決することはせず、総務委員会に差し戻すよう求めることで一致し、横路孝弘衆院議長(民主党出身)にも申し入れました。
しかし、公正な議会運営に努めるべき横路議長までが、野党国対委員長が申し入れをおこなっている最中に、「とにかくやらせていただく」と述べて一方的に本会議のベルを鳴らすという事態となりました。
政府・与党は、製造業派遣と登録型派遣の「原則禁止」という肝心の問題で、二つの“大穴”があいた労働者派遣法改定案についても、衆院厚生労働委員会でのわずかな審議で、今週中に衆院を通過させる姿勢を崩していません。
国会はいま、「(国民が求める集中審議をやらないで)自分たちが通したいと思う法案は、問答無用でごり押しにやる。こんな強権的な国会運営はかつてなかった」(30日のNHK「日曜討論」で日本共産党の市田忠義書記局長)という、まさに異常な事態となっています。