2010年6月2日(水)「しんぶん赤旗」
中期目標に前提条件つけるな
温暖化法案で市田議員主張
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1990年比25%の温室効果ガス削減という中期目標に、国際的な枠組み構築などの「前提条件」をつけるな―。日本共産党の市田忠義参院議員は1日、環境委員会で、地球温暖化対策基本法案が中期目標につけた「前提条件」について、「国際的合意を勝ち取る足かせになる」と批判し、削除を要求しました。
市田氏は、「『日本だけが高い目標を掲げても気候変動を止めることはできない』などということになれば、米国や中国など主要排出国が意欲的な目標を掲げない限り、25%削減目標は設定できないのではないか」とただしました。
小沢鋭仁環境相は、「(前提)条件がない方が決意は強いということは理解する」と認める一方、「丸裸の(数値目標)設定には批判もあるので前提条件を設けた。これは(主要排出国の)背中を押すテコとなる」などと答弁。市田氏は「テコではなく足かせだ。単なるアドバルーンに終わる」と反論しました。
市田氏は、欧州連合(EU)が90年比20%削減の中期目標を設定し、他の先進国の合意があれば30%削減まで目標を引き上げるとしていることを示し、「前提条件が満たされなければ目標が設定されないという日本の姿勢とは大違いだ」と強調。日本の場合は、「『前提条件』がクリアされない場合、中期目標のないまま温暖化対策に取り組むことになる」とただしました。
小沢環境相が、「国際的公約を失っても長期目標に沿ってやるべきことをやる」などと述べたのに対し市田氏は、「2013年以降の国際的枠組みづくりで最も重要なのは、国内外ともに法的拘束力のある中期目標の合意だ。法的に設定されない目標なら国際交渉をリードできない」と、前提条件の削除を強く求めました。
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