2010年6月8日(火)「しんぶん赤旗」
日米合意撤回へともに
志位氏、沖縄の首長らと懇談
米軍普天間基地問題で、民主党政権が「県内移設」の日米合意を結んだことに沖縄県民の怒りが沸騰するなか、日本共産党の志位和夫委員長は7日、「移設先」とされた名護市辺野古を視察するとともに名護市の稲嶺進市長、嘉手納町の宮城篤実町長、宜野湾市の伊波洋一市長、高嶺善伸県議会議長、仲井真弘多知事らと相次いで懇談し、敬意を示すとともに「日米合意は白紙撤回しかありません」と、沖縄県民と連帯してたたかう決意を伝えました。赤嶺政賢衆院議員、嘉陽宗儀県議団長らが同行しました。
名護で稲嶺市長
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名護市の稲嶺市長との懇談で、志位氏は、海にも陸にも基地をつくらせないとがんばっている市長に敬意を表するとともに、「『県内移設』絶対反対、普天間基地の閉鎖・撤去は島ぐるみの総意と感じています。日米合意は白紙撤回しかありません。訪米でも米国務省に普天間問題は無条件撤去が唯一の解決方法だと伝えてきましたが、ぜひ、本土と沖縄の連帯を強めてなんとしても『美(ちゅ)ら海』に基地をつくらせないために頑張りたい」と話しました。
稲嶺氏は、琉球新報と毎日新聞の共同世論調査でも「辺野古」移設反対が84%にのぼることにふれ、「県民大会以降、県民の思いはどんどん高まっています。経済界を含め、これが本当の沖縄の声だということをみんなが示してくれています。おっしゃるように日米合意は白紙撤回しかない」と発言。「国民に沖縄の現状を知ってもらうのが大事。沖縄からさらに強く大きな声を届ける運動を強くしていかなければならない。力を貸していただきたい」と語りました。
本土と沖縄の連帯したたたかいを
伊波洋一・宜野湾市長
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伊波洋一・宜野湾市長との懇談で志位氏は、「普天間基地を抱える市長が、県内『移設』は絶対にだめだという立場を貫いていることが、すべてのたたかいを支えています。心から敬意を表したい」と述べました。
伊波市長は、「市としても、普天間基地を辺野古に移すということは多くの市民が反対し、問題は解決できないと思っています。基地のない沖縄が市民の思いです。ぜひこれからも一緒によろしくお願いします」と述べました。
志位氏は、琉球新報・毎日新聞の共同世論調査で、宜野湾市民の96%が県内「移設」反対、75%が無条件撤去を求めていることを紹介し、「一番苦しめられている市民が、その苦しみを(沖縄のほかのところに)移すのは、まかりならないという気持ちが表れています」と述べました。
伊波市長は、「『移設』については、米側の原則でもある『歓迎されないところには基地は置かない』ということ」を示しながら、沖縄からの米海兵隊の撤去を強調しました。
嘉手納町の宮城篤実町長
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嘉手納町の宮城篤実町長を訪ねた懇談では意気投合し、「日米合意は絶対に認めるわけにはいきません。白紙撤回を」と語る志位氏に、宮城町長も「沖縄県民の思いもまったく同じです」と応じました。
志位氏は訪米して米国務省高官と会談した際、宮城町長のことばも紹介しながら「解決方法は無条件撤去以外に道なし」と率直に提起したことを報告。
宮城町長は「『赤旗』の訪米報告も読ませてもらいました」と切り出し、「沖縄県民に立派すぎることをいう国会議員がずらっといるが、アメリカには何もいいません。私は共産党の訪米が一番いいと思います。公党のトップが行かれて、アメリカにきちっと、向こうがのめないような、あるいは非常に苦い話を率直に語られた。私はものすごく意味があると思います」と語りました。
志位氏は「みなさんの気持ちの一端でも伝えなかったら、日本の政治家とはいえないと考え、宮城町長や伊波市長、稲嶺市長の顔を思い浮かべながら話しました」。
会談は志位氏の要望で庁舎屋上に場所を移し、嘉手納基地を見ながら続きました。
高嶺善伸県議会議長
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高嶺善伸県議会議長との会談で志位氏は、県議会が全会一致で可決した県内移設反対、普天間基地の閉鎖・撤去が盛り込まれた決議が、県民大会の成功につながったとして、「島ぐるみの世論をつくる上で、果たした役割に敬意を表したい」と述べました。
高嶺議長は謝意を表した上で、決議について「いろんな思惑、立場を乗り越えた。歴史に残るものだ」と語りました。
会談の中で志位氏は、「日米合意を白紙撤回し、県民に顔を向けた政治にしないと(基地問題は)解決しない」と強調しました。
高嶺議長は、「置き土産というのは普通喜ばれるものなのに、(鳩山首相の置き土産は)県民にとって頭越しの日米合意だった。ぜひ日米協議を主権国家としてやり直させてもらいたい」と発言しました。
また基地問題をめぐっては、「46(都道府県)対1(県)のたたかいにならないよう、日本共産党には絶大なご支援をいただきたい」と表明しました。