2010年6月8日(火)「しんぶん赤旗」
築地市場移転
汚染処理実験は欠陥
共産党都議団調査で判明 報告書すべて墨塗り
東京都が築地市場移転予定地(江東区豊洲)で実施している土壌汚染処理実験が、専門家との技術的な相談内容や基本的なデータも示せず実験方法にも問題がある“欠陥実験”であることが7日、日本共産党都議団の調べで明らかになりました。党都議団は記者会見で都が実験を中止しすべてのデータを公表することを求めました。
予定地ではベンゼン、シアン化合物、ヒ素など高濃度の有害物質で汚染されていることが大問題となっています。都が3月に公表した「中間報告」では「確実に汚染物質を無害化できる」としながら、基本的なデータである実験前の汚染濃度を隠していたことが党都議団の調査で発覚。都は「専門家に確認中」としたまま、いまだ公表していません。
党都議団が開示請求で入手した都の内部文書によると、都は中間報告の公表前に5回計23時間にわたり民間企業と技術相談していますが、内容はすべて墨塗りされていました。
また、新たに入手した「中間報告書(その2)」では、微生物処理実験や地下水浄化処理実験などの基本的データがすべて墨塗りされ、実験が実際に行われたかどうかが不明なものもありました。
記者会見で清水ひで子党副幹事長は「このままでは今月末の『最終報告』で都合のよい数字だけをあげ成功と結論づける危険が強い。ごまかしに満ちた欠陥実験で豊洲移転を強行するのは許せない」と批判しました。