2010年6月8日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党は宗教を否定?
〈問い〉 日本共産党は、宗教を否定しているのではないですか?
〈答え〉日本共産党が理論的な基礎としている科学的社会主義は、世界観としては宗教的世界観とは異なりますが、宗教の存在を否定して宗教の廃止を主張するものではありません。
日本共産党の根本方針をあらわした綱領は「信教の自由を擁護し、政教分離の原則の徹底をはかる」と明記し、将来においても「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」と規定しています。
日本共産党には、こうした綱領と組織原則を規定した規約を認めて、宗教者が入党しています。参議院議員をつとめた故小笠原貞子副委員長はキリスト者でした。仏教徒や天理教信者などが共産党の議員や候補者になっているというケースも各地にあります。多くの宗教者が、核兵器廃絶や憲法9条擁護、国民生活安定などのために積極的役割を果たし、日本共産党との対話と共同が発展している背景に、宗教者党員の奮闘があります。
“共産党は宗教を否定する”といった俗説は、科学的社会主義についての誤解にもとづくものであるとともに、その誤解が広まった原因に、旧ソ連などで実際に宗教弾圧がおこなわれたという歴史的事実があります。しかし、旧ソ連は、社会主義の看板こそ掲げていましたが、スターリンが指導者になった時代に、官僚的で抑圧的な社会に変質し、社会主義とはおよそ無縁な体制となりました。
旧ソ連などでの宗教弾圧は、ソ連が社会主義だったからではなく、社会主義とはかけ離れた社会でおこなわれたものです。旧ソ連の大国主義と国内の民主主義抑圧は不可分で、日本共産党は、ソ連が崩壊したさいには、これを歓迎する態度を表明しました。
日本共産党は、日本が将来、社会主義社会へと前進することを展望し、党綱領で、「『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる」と述べ、「旧ソ連の誤りは、絶対に再現させてはならない」と強調しています。
(2010・6・8)