2010年6月9日(水)「しんぶん赤旗」
JA全中
各党招き初の討論会
紙氏 政府所得補償は低すぎる
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全国農業協同組合中央会(JA全中)は8日、各党の政策担当者を招いた「農業・農村の活性化に向けた政策討論集会」を東京都内で開きました。
昨年のJA全国大会で決めた「全ての政党に主張し、国政に反映する国民運動」という方針にそった初の討論集会。日本共産党の紙智子参院議員(党農林・漁民局長)のほか、民主党、自民党、公明党、社民党、国民新党、みんなの党の代表が参加しました。
全中の冨士重夫専務は、政策提言として農業農村の多面的機能を評価した直接支払い、15年間で半減した所得の復活を求めました。米価の下落が続く事態については「過剰米」を政府が買い入れて主食以外に使う「棚上げ備蓄」が必要だと訴えました。
紙氏は、米価安定対策として政府買い入れを早くから主張していたことを紹介。価格保障を柱に環境を考慮した所得補償を組み合わせることが生産者の意欲をうみ、40%に下がった食料自給率の向上につながるとのべました。政府の戸別所得補償制度は低すぎるうえ、米価下落を放置し輸入自由化の被害補償という位置づけになっていることを明らかにしました。
各党の討論では、世界貿易機関(WTO)にもとづく外国産米の輸入が農業政策をすすめる上で負担になるとの意見が出ました。紙氏は、多国籍企業の利益を優先するWTOのもと、食料輸入国の農業の衰退、飢餓が増えたと紹介。「国の主権として自国の食料政策を決める『食料主権』が国連人権委員会でも採択された。その立場に立って途上国とも連携し国際交渉をすすめる必要がある」と訴えました。