2010年6月12日(土)「しんぶん赤旗」
出版社まで規制対象
吉田都議 青少年条例改定案を批判
日本共産党の吉田信夫東京都議は11日の都議会総務委員会で、漫画・アニメに登場する18歳未満の青少年の性描写を規制する青少年健全育成条例改定案はあいまいな基準で出版社まで規制対象にするものだと批判し、撤回を求めました。
吉田氏は、青少年の「性的感情を刺激」しない図書をも規制する都の改定案を、岐阜県の有害図書指定制度を合憲とした最高裁判決(1989年)で擁護できないことを指摘し、規制範囲が漠然とした改定案は表現に委縮を及ぼすと批判しました。
吉田氏は、改定案が不健全図書指定を連続して受けた事業者名を公表するとしていることについて、「個別の図書への不健全指定から業者への制裁に踏み出すもので、出版の自由に反する」と述べ、出版関係者の自主的な努力を尊重するよう主張。親たちを対象とする日本PTA全国協議会の調査でも、漫画への対応として販売自主規制を求める声が48%に上ったのに、条例などによる有害図書の範囲拡大を求めたのは11%だったことを示し、「改定案の根幹が問題。字句の手直しではなく、撤回して関係者と議論し直すべきだ」と求めました。
都青少年・治安対策本部の浅川英夫参事は、規制は法の範囲内との認識を示しました。