2010年6月18日(金)「しんぶん赤旗」

大企業減税穴埋めのための消費税増税には反対つらぬく

ラジオ番組志位委員長の発言

　日本共産党の志位和夫委員長は１７日、ニッポン放送のラジオ番組「上柳昌彦のお早うＧｏｏｄ　Ｄａｙ！」に出演し、訪米の経験や消費税増税・法人税減税問題についてリスナーらの質問に答えました。

アメリカ政府との会談の感触は？

　上柳　お電話つながっています。日本共産党の志位和夫委員長です。おはようございます。

　志位　おはようございます。

　上柳　ラジオをお聞きの方からメールがきています。八千代市にお住まいの市川さんという６７歳の方ですが、「アメリカに行かれたんですよね。普天間の問題などで会談されたと思いますが、どのような感じだったでしょうか」ということで、アメリカの政府・議会関係者と志位さんの意見が一致するということはあまりないと思うんですが、どんなお話になったんでしょうか。

　志位　立場はやはり真っ向から違うんですけど、（アメリカの）政府・議会にたいして、「沖縄の声はどこにあるかといえば、普天間基地を返す代わりに別の基地をつくるという『県内移設』には絶対に反対だ、というのが島ぐるみの総意だ。だからこの問題を解決しようと思ったら、移設条件なしの撤去、つまり無条件撤去に踏み切らないと解決しない」ということを話しました｡先方からは｢海兵隊は抑止力だ､理解してほしい｣という話があったんですけれども､「抑止力というが、海兵隊が実際に行っているのは、イラクやアフガニスタンではないか。日本の平和と関係ないということは、県民はみんな知っている」という話もして、かなり厳しいやりとりになりました。

　ただ、「立場は違っても、今後も日本共産党とアメリカ政府の意見交換をやっていきましょう」と先方からいってきまして、合意しました。これは大事なことだと思うんです。

消費税増税「超党派で議論」にどう向き合うか？

　上柳　スタジオにジャーナリストの須田慎一郎さんがいらっしゃいます。

　志位　おはようございます。

　須田　おはようございます。よろしくお願いします。次の選挙戦の一つの大きなポイントになってくるだろうと思うんですが、財政再建問題、その中で消費税率の問題が一つ大きくポイントになると思うんですが、ここ最近の世論調査をみてみますと財政再建にかなり関心が高い、あるいは消費税率アップについて容認する声も多くなってきた。そういう状況の中で、菅さんが超党派で議論しようという方針を打ち出しましたけれども、共産党としてはこの呼びかけにどう向き合っていくつもりなんでしょうか。

　志位　この動きにはいくつか問題があるんですが、一つは、いまの消費税引き上げの議論が法人税の引き下げとセットで出されているところが問題だと思うんです。もともと４月に日本経団連がそういう方向を打ち出しまして、菅さんもだいたい同じ方向に進もうとしている。つまり、大企業減税の穴埋めに消費税の増税ということになると、これは財政再建にも役立たないし、社会保障の財源にもなりません。もともと消費税は立場の弱い方に一番重い税金ですから、これは暮らしを破壊し、景気を破壊するだけになる。ですから、私たちは絶対反対です。消費税増税にはもともとどういう形であれ反対ですが、いま出されている筋にはいよいよ反対だというのが私たちのスタンスです。

　上柳　そうすると、議論にはなかなか参加するのは難しいということなんですか。

　志位　どういう形でそれが始まるかによりますが、そういう議論の方向性､中身については､くみすることはできません。

日本の法人税は高いというが？

　上柳　またこれもリスナーの方からのメールなんですが、江戸川区の４８歳の方ですが、「共産党としては法人税は上げるということだと思うんですが、そうすると優秀な企業は日本を捨てて国外に拠点を設けることになり、結果として優秀な企業が日本になくなることにつながらないでしょうか」と心配しているんですが、どうでしょうか。

　志位　この法人税の問題は、よく法人実効税率ということがいわれますよね。日本がだいたい４０％で、ヨーロッパはだいたい３０％で、日本は高いんだと。ところが、日本の場合には研究開発減税とかいろんな優遇税制制度があって、上位１００社ぐらいの大企業の法人実効税率を計算してみますと、３０％ぐらいなんです。

　上柳　実際のところそういう数字が出てくるんですか。

　志位　そうです。ですから法人税（実効税率）が高いというのは根拠がないんですね。

　上柳　なるほど。

　志位　もう一点は、大企業が負担するのは法人税だけでなく社会保険料も負担しているでしょう。両方あわせたらどうなるか。去年１２月の政府の資料がありまして、日本の場合は社会保険料が低いですから、日本の大企業の負担はフランスの７割なんですよ。社会保険料も込み込みで考えなきゃいけない。

　上柳　いろんな見方があるんですねえ。ほおー。

　志位　だから、日本の大企業は、実は世間並みに払うべきものを払っていないと言えるんですよ。

　上柳　わかりました。報道部畑中デスクです。

　畑中　ニッポン放送畑中です。おはようございます。現有議席が７、今回改選が４ということですけれども、ずばり目標獲得議席は何議席でしょうか。

　志位　私たちは比例代表で必ず５議席以上、そして東京選挙区で小池（晃政策委員長）さんが比例から選挙区にかわりましたから、これを必ずとる。それから４７選挙区すべての選挙区に候補者を立てていますから、それぞれ必勝をめざします。

　上柳　わかりました。どうもありがとうございました。

　志位　ありがとうございました。