2010年6月21日(月)「しんぶん赤旗」
フジテレビ系新報道2001
小池政策委員長の発言
日本共産党の小池晃政策委員長が20日放送のフジテレビ系番組「新報道2001」でおこなった発言の詳報は次のとおりです。
民主党の国会運営
議論から逃げる民主主義否定の対応
民主党が予算委員会も行わないまま通常国会を閉じたことについて、フジテレビの平井文夫政治部長は、2週間前の同じ番組での討論に言及。早く選挙をやったほうが民主党にとって得だという見方が出たことに触れて、「多分、民主党はそこを選んだ」との見方を示しました。
民主党の玄葉光一郎政調会長は、「もっと審議したかったが、なかなか審議させてもらえなかった」「(野党が)衆参(予算委員会は)1日ずつという提案をそのままのんだらやっただろう」と述べました。小池氏は次のように述べました。
小池 それはまったく違います。そういう提案を議論しているさなかに、民主党が自分の提案を引っ込めてしまったのが経過です。
さきほど平井さんがおっしゃったとおりで、やはり選挙目当ての対応です。「審議しない」というが、審議を避けたのはまさに民主党です。自分たちが通したい法案は審議もせずに強行する。自分たちにとって都合の悪い問題は審議すらしない、予算委員会やらない、証人喚問やらない、参議院の本会議もやらない。こういう形で議論から逃げて、とにかく一刻も早く選挙になだれ込む。これは前代未聞のやり方で、民主主義否定です。
消費税10%
法人税減税の穴埋めのツケを回すもの
マニフェスト発表会見(17日)で菅直人首相が消費税10%という自民党の案を「参考」としたいと述べたことについて、玄葉氏は「次の総選挙後には税制の抜本改革はする」と宣言。小池氏は、次のように批判しました。
小池 (民主党は)わずか1年前の総選挙で“ムダを削れば財源は出てくる。消費税増税は当面必要ない”とはっきりいっていたのに、いきなり10%などというのでは、“なんだこれは”という怒りが出るのは当然です。
「財政再建」「強い財政」だというけれども、一方で民主党のマニフェストには法人税の減税ということが書いてあります。経済産業省は25%まで下げるといっている。そうすると、9兆円も税収に穴が開くわけで、結局、「財政再建」なんかなりません。これは消費税でいうと4%分です。結局、消費税を5%分増税しても、4%分は法人税の減税の穴埋めになってしまう。これは社会保障のためだなどといろいろ理屈を並べているけれども、国民からみれば、明らかに大企業減税の穴埋めのツケを庶民に回すという構図になっています。こういうやり方ではダメです。
いまの庶民の暮らしは本当に疲弊しています。民の暮らしは痛んでいます。こういう暮らしを痛めつける消費税増税を、絶対にやるべきではない。断固反対です。
消費税10%は民主党の公約になるのかと問われた玄葉氏は、「一つの参考、目安だ」などと発言。小池氏は、「玄葉さんは記者団に聞かれて『公約だ』といったではないか」と、無責任な姿勢を批判しました。これに対し玄葉氏は、「総理の発言は公約だ」と認めました。
一方で玄葉氏は、参院選後に党内の検討チームを立ち上げて「還付つき税額控除」「逆進性対策」なども検討し、それらが導入された場合は、「若干、(税率が)前後する可能性もなきにしもあらずだ」と言明。小池氏は、「それでは、10%より高いこともありうるという話だ」と批判しました。
自民党の石破茂政調会長は、「(日本の)法人税は世界トップクラスだ。賃金も世界で一番高い」として、派遣労働の規制強化で企業は海外に出てしまうなどと主張。玄葉氏も「まったくそのとおりだ」と応じました。
消費税増税と法人税下げ
国民に信を問う前から民主と自民で“大連立”
この議論を聞いていた平井氏は、消費税増税で一致している民主・自民両党の「消費税パーシャル大連立だ」と指摘。小池氏は次のように応じました。
小池 平井さんが自民と民主の大連立だといいましたが、まさに消費税問題でそうなってきている。次の総選挙で信を問うといいますが、こんな形で参議院選挙がたたかわれるならば、結局、総選挙を待たずに「増税大連立」ができてしまうことになります。本当に、今度の参院選がこの問題での審判の場になります。民主党は、あいまいな形でなくて、きちっと国民に示す責任があると思います。
それからもう一つの連立です。さきほど、私は、法人税を下げて消費税を上げるのはけしからんといいました。その問題でも、まさに自民と民主の大連立になっている。
「法人税率は高い」というが、日本の大企業の法人税率の実質負担率は30%です。社会保険料も含めればヨーロッパに比べてまだまだ負担が低い。答えてもらっていませんが、結局、法人税減税をすれば消費税の増税分がふっ飛んでしまい、財政再建にならない。そこを民主党はどう考えているのか説明してもらわないと、すべての議論が崩れます。
玄葉氏は社会保障負担についての反論も示さずに、「法人税はやっぱり下げなくてはいけない」などと繰り返しました。
参院選での獲得議席目標を問われた小池氏は、6議席以上と書いたフリップを示し、次のように答えました。
小池 比例代表で5議席を絶対確保し、東京選挙区では私が挑みます。やはり、普天間の大連立、増税の大連立というのが、今日の議論でもはっきりしてきましたので、“そこに立ちはだかる共産党を”と訴えていきたいと思います。