2010年6月25日(金)「しんぶん赤旗」
大企業20社の利益剰余金 1.5兆円増
経済活性化へ内部留保の還元を
企業の内部留保の一部である利益剰余金の保有額上位20社(銀行を除く)の総計が2010年3月末時点で53兆7823億円に達し、09年3月末の52兆2527億円から1兆5296億円積み増していることが本紙の集計で分かりました。
各企業の利益剰余金を増加幅の多い順で見ると、NTTが3401億円増の5兆4067億円、三菱商事が2189億円増の2兆7485億円、ホンダが2067億円増の5兆3499億円など。利益剰余金が最も多かったのは今回もトヨタ自動車で、369億円増の11兆5686億円でした。
このほかキヤノンは349億円増の2兆9150億円、日産自動車は408億円増の2兆4565億円でした。
上位20社中、利益剰余金を増やした企業は16社でした。20社の積み増し額は年収500万円の労働者の賃金約30万人分にあたり、これを取り崩すだけで多くの雇用を生むことができます。
大企業の内部留保は正規労働者の非正規への置き換え、リストラ、賃下げ、下請け単価たたきによって膨れ上がりました。その多くは預金、株式などです。
トヨタ自動車の場合、グループ企業を含めない単体では総資産10兆3500億円のうち工場、機械などの有形固定資産は13%しかなく、資産の大部分は金融資産。ため込んだ利益の一部を非正規従業員の正社員化や賃上げで吐き出すことは十分可能です。
日本の経済を立て直すには内部留保の還元が欠かせません。
利益剰余金 企業の年々の利益を積み上げたものから、株主配当などで社外に出ていく部分を除いたものが内部留保です。このうち、営業活動を通じて蓄積されたものが利益剰余金。内部留保の大きな部分を占めています。
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