2010年7月3日(土)「しんぶん赤旗」

大企業優遇 連結納税

1年で減税5000億円

トヨタ・日産・本田・ソニー・パナソ・シャープ…

黒字と赤字相殺 納税減らす仕組み


 大企業優遇税制の一つ、連結納税による減税額が2003年の導入以来これまでに、約2兆4000億円(03〜08事業年度)にのぼることが明らかになりました。法人税(国税)の課税にあたって企業グループ内の赤字を合算し、税額を減らす制度です。日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が国税庁資料から試算しました。


 08年事業年度の減税額は4978億円でした。国が4000億円の国庫負担を投入すれば、国民健康保険料を1人1万円下げることができます。

 大企業優遇税制が財源の面から国の生活関連事業を掘り崩しています。

ますます優遇

 制度の申告件数も03事業年度の239件から毎年増え続け、08年事業年度は774件でした。連結納税制度を導入した企業は、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、ソニー、パナソニック、シャープなどの巨大企業。研究開発減税や外国税額控除など他の制度で優遇された上、さらに法人税を減らすことができます。

 連結納税制度では、グループ内企業それぞれの黒字と赤字を相殺することができます。

 親会社が利益をあげても、赤字の子会社があれば、その赤字額を親会社の黒字額から差し引けます。

 法人税の課税対象となる利益を小さくし、納税額を減らすことができます。子会社を多く抱える大企業に有利な制度です。

 連結納税制度は、日本経団連など財界の要求を受けて02年度に小泉内閣が導入しました。国会でこの税制「改正」を可決した際、当時の与党、自民、公明とともに野党だった民主党も賛成しました。

共産党は反対

 日本共産党は、「巨大企業集団に大減税をもたらす」「持ち株会社をテコとした大企業の再編リストラを加速させ、労働者に犠牲を強いる」として同法に反対しました。

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