2010年7月8日(木)「しんぶん赤旗」

日本テレビ「ニュースエブリィ」

志位委員長の発言から


 6日放送の日本テレビ番組「ニュースエブリィ」には日本共産党の志位和夫委員長をはじめ9党の党首が出席し討論しました。


「みんなが生きやすく」――

「人間らしい雇用を」

 「みんなが生きやすく」ということで、最も訴えたいことは何かと問われた志位委員長は、「人間らしい雇用を」と書いたボードを掲げ、次のように答えました。

 志位 人間をモノのように「使い捨て」にする派遣労働を抜本的に規制して、「雇用は正社員が当たり前」の社会をつくる。

 年収200万円以下の「ワーキングプア」(働く貧困層)といわれる方々が1000万人を超えて広がっている。最低賃金を時給1000円以上に引き上げ、まともに暮らせる賃金を保障する。

 さらに、「過労死」が後を絶ちません。「サービス残業」をなくして、長時間過密労働を法律で規制する。一家だんらんを楽しめる人間らしい雇用、というのが、「みんなが生きやすい」基本だと思います。

子育て支援――

保育園増設、高校・大学の学費無償化など総合的な支援を

 子育て政策がテーマとなり、志位氏は総合的な支援を強調しました。

 志位 保育所では待機児童が大変です。認可保育所を1年で10万人分、3年間で30万人分つくる。1970年代には年間9万人分つくったことがあるんです。そういうスピードでやる必要があると思います。

 規制緩和をして、子どもの詰め込みで解消するのではなく、きちんと認可保育園をつくって解消することです。

 それから学費の問題です。大学も含めて学費無償化に踏み出していく。(日本の)奨学金は返さなければならないので、大学を卒業すると何百万という借金を背負ってしまう。ですから給付制にしていく。そういう総合的な子育て支援が必要だと考えています。

所得減少の解決――

大企業の内部留保を社会に還元し、内需主導で成長を

 番組では、この10年間で国民の所得が15万円減っていることがグラフで示されました。「なぜ、こうなったのか」を問われた志位氏は、次のように述べました。

 志位 たしかに働く人の賃金は減った。しかし大企業は10年間で、年間の利益を15兆円から32兆円にしているんです。お金はどこに回ったかというと大企業の内部留保になっている。この10年間、142兆円から229兆円になって、「空前のカネ余り」と日本経済新聞も書きました。

 ですから私たちは、過剰な内部留保を社会に還元させるという成長戦略を提唱しています。雇用に還元させ、賃金の底上げをはかって、人間らしく働ける賃金を保障する。中小企業に還元させる。下請けに対する適正な単価を保障する。これを政治の責任でやる。

 そのことによって経済を内需主導で成長させ、税収も入ってくる。そういう暮らし応援の成長を目指すべきだと思います。

消費税増税――

「返すのだったら、初めからとるな」

 消費税増税問題では、税率10%では平均的な年収である500万〜550万円の世帯で年間13万3000円の負担増になり、低所得者ほど負担が重くなることが示されました。

 低所得者層への対応について問われた菅直人首相は、消費税の逆進性を認め、複数税率にするか、還付にするかなど今後、超党派で議論すると述べました。

 司会者から、還付する場合、「年収400万円で線を引くと46%の人が対象になり増収が見込めないのではないか」と指摘されると、菅首相は、「具体的なこと(還付対象の年収)をいったのが、若干まずかったといわれている」としたうえで、今後議論していくと述べました。それに対して志位氏は次のように批判しました。

 志位 「還付」を総理が言い出した。しかも、年収200万、300万、400万と同じ日で、発言した場所によって額が違う。まじめに検討したものじゃないと思います。「返すのだったら、初めから取るな」といいたいですね。そういう議論が出てくるのは、消費税が弱い者いじめの税金だと菅さん自身が認めたということですから、増税計画をやめるべきだ。

 とくに、今回の(消費税)増税計画の一番の問題は、民主党のマニフェストでも、「法人税率の引き下げ」が明記されているわけですよ。政府の方針でも、(法人税率を40%から)25%まで約4割、引き下げるということが(消費税増税と)セットで出ている。そうなると9兆円ぐらい税収に穴があく。消費税を5%上げても新たな財源は11兆円ですから、大体が大企業減税に使われてしまう。社会保障のお金も財政再建のお金もつくれません。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp