2010年7月14日(水)「しんぶん赤旗」
イラク陸自活動報告書
「防護・警備」を不開示
防衛省 「今後の活動に支障」
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防衛省は13日までに、本紙記者の情報公開請求に対して、2004年1月から06年7月まで、イラク南部サマワに派兵した陸上自衛隊の活動報告書を開示しました。
しかし、武装勢力による宿営地への攻撃や防護・警備要領、兵たん、治安状況、他国軍との共同演習、サマワからの撤退計画など、軍事的な行動に関する部分が「今後の同種活動における自衛隊の任務の効果的な遂行に支障が生じる」との理由から不開示とされました。
自衛隊のイラク派兵は終了しており、派兵の根拠となるイラク特措法も廃止されていることから、民主党が参院選政策(マニフェスト)に掲げたアフガニスタンへの派兵の検討との関連が指摘されています。
同政策では、「アフガニスタンなどの平和構築に役割を果たすため、PKO(国連平和維持活動)などでの自衛隊および文民の国際貢献活動のあり方について検討する」としています。同党がアフガン派兵の検討を公約したのは初めてです。
報告書はサマワに駐留した陸自の第1次〜第10次部隊が作成したもので、全体で376ページ。このうち、不開示部分は101カ所で、「今後の同種活動」に「支障が生じる」ことから不開示としているのは50カ所に及びます。
民主党政権が発足した昨年9月、防衛省は航空自衛隊のイラク派兵に関する記録「週間空輸実績」236週分を全面開示しました。同文書は自公政権当時、ほぼ全面不開示となっていたものです。
当時、北沢俊美防衛相は、「国防の機微に触れることは慎むが、できるだけ国民に情報開示する」と述べ、情報公開での自公政権とのちがいを強調していました。また、米軍のイラク戦争や自公政権のイラク戦争支援についても、「国際法違反」「憲法上、疑義がある」などと批判していました。