2010年8月19日(木)「しんぶん赤旗」
チェック議連 国交相に再考要請
ダム見直し「中間とりまとめ」
“事業者に丸投げ”
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超党派の「公共事業チェック議員の会」(会長・松野信夫参院議員=民主)は18日、前原誠司国土交通相に対し、ダム建設の見直しを進める同省の有識者会議が先月発表した今後の治水対策のあり方に関する「中間とりまとめ」について、再考・再検討するよう要請しました。
要請は、松野会長ほか、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員、民主党の大河原雅子参院議員、みんなの党の柿澤未途衆院議員、国民新党の亀井亜紀子参院議員が行いました。
中間とりまとめでは、ダムに頼らない治水に向け、現在進められているダム建設事業の検証手順・基準をまとめています。
これに対して、チェック議員の会は、検証主体がダム建設を推進してきた事業実施者(国交省地方整備局、独立行政法人水資源機構、都道府県)となっている点について、再検討を要求。「極めて不十分・不適切。要するに、事業者に見直しを丸投げするやり方であり、客観的合理的な見直しになりえない」としています。
佐々木氏は「検証主体がこれでいいのか。住民の代表が参加できない。議事録も公開すべきだ」と問題点を指摘しました。
前原国交相は「河川整備基本方針は棚上げにしている」と繰り返し、推進する姿勢でないことを説明するとともに、有識者会議との意見交換の場を持つことを提案しました。一方で、「議事録公開は具体的な地名も出るので不可能」と否定しました。チェック議員の会の要請書は、検証主体の再検討のほか、第三者機関による公開性をもった検証や市民参加、検証対象の拡大なども求めています。