2010年8月23日(月)「しんぶん赤旗」

小選挙区制 存在問う時代

比例定数削減 穀田氏が批判

CS番組


 21日放送のCSテレビ「朝日ニュースター」の「闘え!山里ジャーナル」で、菅直人首相が表明している国会議員定数の「衆院比例80削減・参院40削減」の是非をめぐって激論が交わされ、削減への異論・反論が噴出しました。日本共産党の穀田恵二国対委員長が出演しました。

 「僕は反対派」という、お笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太氏がキャスターを務め、「国会議員の数は本当に減らす必要があるのか」と声を上げました。

 民主党の伴野豊衆院議員が「国民に負の分配をお願いすることが多い。国会議員からまず身を削れという声が出ている」と発言したのに対し、穀田氏は「国民に負担増を強いるためだという本音が出た」と強調。比例代表の削減は「民意を反映する部分を削ることだ」と厳しく批判しました。

 『週刊朝日』の山口一臣編集長は、国会議員の特権が問題だと指摘。穀田氏は「特権は廃止すべきだ。例えば東京選出の議員に滞在費はいらないと私たちはずっと反対している。共産党以外、政党助成金を減らせと誰もいわない。理不尽なことが多すぎる。問題を洗いざらい出すべきだ」と応じました。

 「朝日」の曽我豪編集委員は、菅首相が消費税増税を打ち出して国民の反発を招いた後で定数削減を強調し始めたことにふれ、「困ったときの定数削減だ」と批判。伴野氏は「国民受けするというところから始まったのは事実だ」と認めざるを得ませんでした。

 山里氏は「(削減の)デメリットはどうか」と問いました。

 穀田氏は、衆院比例定数を80削れば民主党が4割台の得票で3分の2を超す議席を独占し、参院で否決された法案も再議決できると指摘。共産党や、それより得票の少ない政党は議席をなくす危険があると述べました。山里氏は「少数政党は『ダメ出し』のプロだ。いなくなったらめちゃくちゃなことになりそう」と語りました。

 さらに、NPO法人ドットジェイピーの北島優子事務局次長は「問題が出てきているのは小選挙区だ」と発言しました。穀田氏は「『政治改革』の名で導入された選挙制度(小選挙区比例代表並立制)がよかったのか検証する時代にきている」と応じ、(1)選挙制度のあり方(2)一票の格差(3)政党助成金撤廃と企業・団体献金禁止(4)高すぎる供託金(5)選挙活動の自由―などの問題を国民的に議論すべきだと主張しました。

 穀田氏は特に小選挙区制について、人為的に「二大政党」の多数をつくるものだと批判。その「二大政党」が瓦解し始めている下で、国民の多様な意見を反映させる選挙制度はどうあるべきかの議論が重要だと強調しました。

 「朝日」の安井孝之編集委員は「多様な民意をすくう必要がある。政権交代できればいいという時代とは違う。それにあった選挙制度とは何かを考えるべきだ」と応じました。





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