2010年8月25日(水)「しんぶん赤旗」

「命第一」の国に

治療費月2万円、苦難の人生…

薬害根絶訴え


 第11回薬害根絶デー(主催・同実行委員会)が24日、東京・霞が関の厚生労働省前などで取り組まれ、薬害を根絶して、命第一の薬務行政への転換を求めて終日行動しました。


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(写真)東京・霞が関の周辺をパレードする薬害根絶デー参加者=24日

 厚労省前では、薬害被害者がリレートークし、長妻昭厚労相へ要望書を提出。庁舎周辺のパレード(デモ行進)、弁護士会館での集会、有楽町マリオン前での街頭宣伝など多彩に取り組みました。

 リレートークでは、薬害被害者が次々にマイクで訴えました。

 薬害スモン被害者の山田英子さん(83)=横浜市在住=は、「被害者の中には視力を失い、苦難の人生を強いられた人がたくさんいます。幼児のときにスモンで全盲になり、希望ある未来がつらいものになった被害者もいます。これ以上の被害を出さないためにも薬害スモンを風化させてはなりません」と話しました。

 「肝硬変、肝がんの恐怖におののいています」と訴えたのは、薬害肝炎被害者の村田光子さん(62)です。

 27歳で長男を出産したときに急性肝炎を発症。現在、慢性肝炎です。「長男を出産したときの助産院は廃院になっていて血液製剤フィブリノゲンを投与されたことを証明するカルテがありません。治療費に月1万5千円から2万円はかかります。すべての薬害肝炎患者の救済をお願いします」と訴えました。

 薬害イレッサ訴訟原告の近澤昭雄さんは、「夢のような新薬と大々的に宣伝されて家族に飲ませました。その結果苦しみながら娘は死にました。国と製薬企業は謝罪すべきです。皆さん方の応援を感じながらたたかっています」と話しました。

 日本共産党の田村智子参院議員が激励あいさつしました。

 弁護士会館で開かれた集会は、薬害肝炎検証会議の報告、ミニコンサート、薬害根絶の医療現場での取り組み、25日東京地裁で結審する薬害イレッサ訴訟の報告などが行われました。

 薬害根絶デーは、1999年8月、当時の厚生省が薬害エイズ事件の反省に立って、再発防止を決意して薬害根絶の碑を庁舎前に建立したことから翌年から毎年厚生労働省などへの交渉・要請・宣伝行動に取り組んできたものです。





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