2010年8月25日(水)「しんぶん赤旗」
「新規就農者支援法の制定」とは?
〈問い〉党の農業政策で「新規就農者支援法の制定」を提案していますが、具体的にどんなことですか?
〈答え〉農業の基幹的従事者が15年間で72万人(27%)減少し、その45%がいまや70歳以上です。このままでは農業と農村が崩壊しかねず、農業の新たな担い手の確保・育成は、まったなしの課題となっています。
日本共産党は、この問題の根本には歴代政府が農業を衰退させてきた農政があり、解決には、農政を大もとから転換し、大多数の農家が安心して農業に励める条件の整備が不可欠だと考えています。
同時に、高齢者の大量リタイアが見込まれるもとで、農業の新たな担い手の確保・定着に長期的な位置づけのもとに国をあげて取り組むことも、地域農業や農村の維持に必要なことです。日本共産党が新規就農者支援の特別法を提案したのは、そうした趣旨からです。
具体的には、農家の子弟、農外からの参入などそれぞれの条件に応じて必要な情報の提供、技術や経営の研修、農地の取得や資金の提供、住宅のあっせんなど総合的対策を講じることです。自治体や農協、農業委員会など関係機関、集落や地域が一体となった支援体制の確立も、不可欠です。
特別法では、それら対策とあわせて、農業経営が軌道にのるまでの3年間、月15万円を支給する制度の導入を大きな柱とすることも提案しています。また農家や農業生産法人などが就農希望者を研修生として受け入れ、雇用する場合、その経費の一部を支援することも必要と考えています。
ここであげた個々の施策は、部分的には自治体などでも実施され、国政でも、極めて不十分ながら導入されているものも一部にあります。これらを、国の恒常的・総合的な法制度として確立し、対策の中身を飛躍的に強化しようというのが日本共産党の提案です。
農業大国フランスでは、1973年から「青年就農者育成支援制度」を実施し、条件不利地域に夫婦で就農する場合、3年分の生活費補助として700万円超を支給するなど、次代の農業の担い手育成に力を入れ、成果をあげてきています。
近年、わが国でも、就農を希望する青年、定年帰農者、離職就農者などが増えています。党の提案が実現し、これらの人々に手厚い支援が届けば、農業の担い手の確保・育成につながるのは間違いないでしょう。