2010年8月31日(火)「しんぶん赤旗」
要介護認定に批判
社保審部会で見直し議論
30日に開かれた厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会で、要介護認定制度の「廃止」「簡素化」を含めた見直しの議論が百出しました。同部会は2012年度の介護保険制度改定に向けて議論しています。
「認知症の人と家族の会」の勝田登志子副代表理事は、「(認定が)認知症の人に適応していない」「暮らしの中での介護の必要性から出発する制度に」と認定制度の廃止を提案しました。
「高齢社会をよくする女性の会」の木間昭子理事は独自のアンケート調査に基づき、「認知症の状況が反映されていないという声が多い」と指摘し、認定の簡素化を提案。ただし「軽度者切り」につなげてはならないと述べました。
全国老人クラブ連合会の斉藤秀樹理事・事務局長は、「(昨年4月の制度改定は)信頼性に欠けると多くの人が疑問を呈した」と述べ、認定制度見直しを議論する専門委員会の設置を提起しました。
事業者側からも「じっくり見直すべき時期ではないか。認定はするべきだが現場の声を無視してはならない」(全国老人保健施設協会の川合秀治会長)との意見が出ました。
自治体などからは、財源や「公平性」を理由に認定制度の維持を求める意見も出ました。
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