2010年8月31日(火)「しんぶん赤旗」
原爆小頭症 支援力入れて
患者・家族の会 共産党に要請
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母親の胎内で被爆し、知能や身体に障害を持つ「原爆小頭症」の患者や家族、支援者でつくる「きのこの会」(長岡義夫会長)は30日、国会内で日本共産党に対し、専任の相談員を置くことなどを国に求める要望書を手渡しました。井上哲士参院議員が応対し、懇談しました。
国は原爆小頭症の患者を22人認定し、うち18人が同会会員となっています。患者には小頭症手当などが支給されていますが、知的障害のある患者は自分だけでは十分に制度やサービスの活用ができません。
要望書では、患者や親の高齢化がすすむなか、従来のボランティアによる支援では限界があると指摘。国の責任で医療ソーシャルワーカーを配置することや、「きのこ会」として原爆小頭症の記録を残すために、行政や医療機関の持つ患者に関する情報を開示することを求めています。
懇談では、長岡会長が説明し、「患者は今、医療と福祉のサービスの両方を必要としている。豊富な情報や広いネットワークを持つ行政の中に、国の責任でソーシャルワーカーが配置されるよう力をいただきたい」と要請。患者家族や支援者が、これまでの苦労や実情について語りました。
井上議員は、「私も被爆2世。実態の深刻さはよくわかりました。要望が実現できるように、がんばりたい」と応じました。