2010年9月4日(土)「しんぶん赤旗」

「まず枠組み合意を」

中東和平再開で米特使


 【ワシントン=小林俊哉】昨年の発足以来、中東和平を外交の最重要課題に掲げて、仲介を進めてきたオバマ米政権は、2日再開された中東和平直接交渉で、パレスチナ国家の国境画定、エルサレムの帰属問題、パレスチナ難民の帰還問題など、包括和平に向けたすべての問題を扱うとしています。ただ、米政権として和平案の提示はしない方針です。

 米国のミッチェル中東担当特使は記者会見で、双方が1年以内にすべての中核的問題を解決する方針で一致したと言明。まずは、包括的な和平条約交渉の基礎となる「枠組み合意」を目指すと述べました。枠組み合意は、双方の妥協が必要な課題を確定する内容になるといいます。

 しかし、イスラエルがヨルダン川西岸と東エルサレムで進めている入植問題が当面の焦点となり、交渉の成否には否定的な見方も根強くあります。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長がイスラエルのネタニヤフ首相に対し、「入植活動が停止されなければ、交渉を継続できない」と述べたのに対し、同首相は「(停止延長を)決定するのは困難だ」と応じたとされます。

 ミッチェル特使は、「交渉を成功させるには、交渉内容を非公開にし、最大限の配慮を払わなければならない」と述べ、入植活動停止の問題が話し合われたかどうかなど、協議の詳細は明らかにしませんでした。





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