2010年9月4日(土)「しんぶん赤旗」
住民監視訴訟 証言拒むな
宮城・民主団体 防衛省に要求
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安保破棄・諸要求貫徹宮城県実行委員会の小山功事務局長と中嶋廉事務局次長は3日、自衛隊情報保全隊による住民監視の差し止めを求める訴訟(仙台地裁)で、原告が申請した情報保全隊幹部および元幹部の証人採用について、証言の承認を求める要請書を防衛省に提出しました。
安保破棄中央実行委員会の東森英男氏、国民救援会副会長の望月憲郎氏と日本共産党の高橋ちづ子衆院議員も参加しました。
原告の証人申請は、被告側が民事訴訟の基本原則を無視して、国民監視行動などへの認否を拒否しているため、事実関係を立証するために行われたものです。
民事訴訟法は公務員の尋問について、第191条2項で、「公共の利益を害し、または公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合を除き、拒むことができない」と規定しています。
要請で小山事務局長は、「ぜひ証人を認めて裁判の中で事実を明らかにしてもらいたい。自衛隊も憲法を守る組織になってほしい」と要求しました。
中嶋事務局次長は「自衛隊は、情報保全隊を含め、すべての部隊が法令を守って活動し、国民への監視をやめるべきだ。防衛相は民事訴訟法にのっとった対応で、仙台地裁から照会があった証人尋問を認めてほしい」と述べました。
防衛省防衛政策局調査課の担当者は「上層部に報告し、13日までにきちんと裁判所に回答する」と答えました。
全国の民主団体や労働組合から証人尋問を求める署名が378団体、個人の署名が2687人から届いています。
宮城自衛隊国民監視差止訴訟 日本共産党の志位和夫委員長が2007年に公表した内部文書などで陸上自衛隊情報保全隊の国民監視活動が表面化。宮城県内で監視対象とされた住民らが同年10月、仙台地裁に提訴し、国を相手に監視と情報収集の中止などを求めている国家賠償訴訟です。