2010年9月7日(火)「しんぶん赤旗」
B型肝炎 国は時間稼ぎ
九州訴訟原告 「和解 誠意ない」
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B型肝炎九州訴訟の第2回和解協議が6日、福岡地裁(西井和徒裁判長)で開かれ、被告・国側は1日の札幌地裁と同様の「和解の全体像に関する考え方」を改めて提示しました。
原告・弁護団は「まったく不十分で到底のめるものではない」(小宮和彦・九州弁護団長)と厳しく批判しました。
「考え方」は、▽発症していない持続感染者(キャリアー)を救済対象から外す▽賠償額を低く抑えようとしている▽予防接種を受けた証明として母子手帳がない場合は予防接種台帳(保存期間5年)、人によってはすでに消えている接種痕を求めている―などの問題点があります。
記者会見で小宮団長は、「原告がのまないことを前提に(和解案を)小出しにし、時間稼ぎしている。非常に誠意のない対応だ」と語りました。
谷口三枝子全国原告団代表は「発症の恐怖に苦しむキャリアーの切り捨ては許せない」と述べ、引き続き年内解決を求めていく決意を表明。原告の冨田圭一さんは「(キャリアーも発症者も)苦しみはいっしょだ。一致団結して、救済できる案を目指し行動していきたい」と語りました。
九州訴訟の次回和解協議は10月18日。
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