2010年9月9日(木)「しんぶん赤旗」
衆院厚労委
統廃合計画撤回せよ
障害者施設問題で高橋議員
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日本共産党の高橋ちづ子議員は8日の衆院厚生労働委員会で、国立更生援護機関の統廃合計画の撤回を迫りました。委員会室には多くの障害者らが駆けつけ、見守りました。
国立更生援護機関は全国8カ所に置かれ、障害者の自立を支援しています。厚労省は、このうち栃木県那須塩原市の視力障害センターと静岡県伊東市の重度障害者センターを、埼玉県所沢市の国立障害者リハビリテーションセンターに統合する計画を進めています。
高橋氏は、2008年の「国立更生援護機関のあり方に関する検討会」では施設の統廃合に全く触れていないにもかかわらず、09年9月18日の事務連絡で突然統廃合施設の具体名や期日が打ち出されたと指摘。「施設の統廃合という重大決定を通り一遍の事務連絡で決めていいのか」とただしました。山井和則厚労政務官は「利用者の声も聞き心苦しい」としながら、利用者の減少などを理由に統廃合を正当化し、「事務連絡についても問題があるとは思わない」と述べました。
高橋氏は、伊東市の重度障害者センターでは利用者が逆に増え、待機者まで出ていることを示し、統廃合の根拠はないと反論。山井政務官が質問に答えず「統廃合はいつかの時点でしなければならない(問題)」と述べると、傍聴席からどよめきが起こりました。
高橋氏は、公務員を10%削減する総務省の定員合理化計画を統廃合の理由にあげているが、障害者自立支援法を廃止してつくる総合的な障害者施策のうえでも更生援護機関の役割は高まっていると強調。重ねて計画の撤回を求めました。
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