2010年9月10日(金)「しんぶん赤旗」
円高招いた「デフレ」克服を
大門議員「カギは賃上げ」
参院委
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日本共産党の大門みきし議員は9日、参院財政金融委員会で円高対策を取り上げ、円高を招いた「デフレ」克服のカギは賃上げだと強調しました。
大門氏は、為替相場を決定する大きな要因は金利差であり、金利の高い国の通貨は買われ、高くなる傾向があると指摘。物価下落が続いている日本では、物価上昇率を加味した実質金利で比較するとアメリカより短期金利が2%以上高くなることを示して、「円高対策も、金利政策だけでなく、物価対策、いわゆる『デフレ』対策が根幹だ」と述べました。
その上で、日米欧ともに景気後退局面にあるのに、日本だけが「デフレ」が起こっているのは、賃金が傾向的に下がり続けているからだと指摘。ヨーロッパのメガバンク関係者が「日本の『デフレ』というのは、賃金が減少し購買力の低下した結果、商品価格が下がる。するとコスト削減で、また賃金が下がる。こういう物価の下落と賃金の下落の悪循環が起きている」と述べていたことを紹介し、政府の認識をただしました。
野田佳彦財務相は「金利差が円高の要因になっているとの認識は共有している。いま雇用が厳しいので、需要と雇用をつくりだす中長期的な対策が必要だ」と答弁しました。
大門氏は、雇用も重要だが、その先の賃上げこそ必要だとして、欧州では同一労働同一賃金が原則で、雇用を守れば賃金も守られていると指摘。「日本では雇用が増えても、非正規に置き換えられて賃金は増えず、『デフレ』は克服されない。経営の苦しい企業には配慮しながら、最低賃金の大幅な引き上げなどに真剣に取り組むべきだ」と強調しました。
野田財務相は「最低賃金の引き上げに政府としても努力したい」と答えました。
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