2010年9月19日(日)「しんぶん赤旗」

戦時下の強制労働 中国人犠牲者追悼式

事実伝え、平和・友好を 愛知

井上議員が参列


 第2次世界大戦末期、爆撃機などを生産した三菱重工知多工場の専用飛行場「大府飛行場」(愛知県東海市、大府市)の拡張工事で亡くなった中国人5人を追悼する式典が18日、東海市の玄猷寺(げんにゅうじ)で営まれました。日中友好協会愛知県連合会などが主催し、約150人が出席しました。

 追悼式は昨年に続き2回目。今回初めて、生存者2人が中国から参加しました。河北省定州市の楊印山さん(84)は、「日本の企業から非人道的な虐待を受けました。過酷な労働で、食べるものも着るものも十分ではありませんでした」と体験を語りました。湖北省黄石市の唐燦さん(85)は、「犠牲になった同胞たちは、早くに私たちのもとを離れ、若い命が異国の地に捨て置かれました」と5人をしのび、日中両国人民が永遠に平和的に付き合っていくことを望みますと語りました。

 式典には、中国駐名古屋総領事館の王軍領事、愛知華僑総会の丁秀山会長、日本共産党の井上哲士参院議員が参列。井上氏は「2007年の最高裁判決は企業と政府に救済の努力を求めました。被害者は高齢者で時間はない。一刻も早く人道的解決をはかるべきだ」と述べました。

 飛行場拡張工事を請け負った地崎組(現・岩田地崎建設)は、北海道で使っていた480人を愛知県に配置がえし、1944年11月から45年6月にかけて土木作業に使いました。

 大府飛行場中国人強制連行問題愛知対策委員会の冨田好弘事務局長は、「『日本中国友好祈念碑(仮称)』建立や調査活動を進め、記録に残し、広くこの歴史の事実を伝え、平和と友好の声を発信しよう」と呼びかけました。





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